統計データからみた新潟県のインバウンド観光の現状とは・・・

 

こんにちは。新潟経済社会リサーチセンターの小林です。

日本政府観光局(JNTO)によると、2016年7月の訪日外客数は、前年同月比19.7%増の229 万7 千人で、7 月としては過去最高となったそうです(これまでの7月の過去最高は2015 年7月の191 万8 千人)。それに加えて、229 万7 千人という外客数は単月としても過去最高だそうです(これまでの単月の過去最高は2016 年4 月の208 万2 千人)。

前年同月比伸び率が緩やかになるなど、以前よりインバウンドブームは弱まったように感じる今日この頃ですが、日本を訪れる外国人観光客は増加を続けているようです。たしかに街を歩いていると、洋の東西を問わず外国人観光客と思しき人を見かけることは日常茶飯事になっています。私たち自体が、外国人観光客を特別視せず、日常的なこととして受け入れるようになってきたがゆえに、ブームと感じなくなっているのかもしれません。

 

 

新潟県の外国人観光客数は?

全国的に訪日外客数が単月で過去最高を更新するなか、新潟県内の外国人観光客数の状況はどのようになっているのでしょうか?

2016年7月に新潟県が発表した資料によると、2015年度の新潟県内の外国人宿泊数は188,624人泊となり、過去最高となったそうです。このデータは年度のデータであり、必ずしも新潟県の足元の状況を反映しているわけではありませんが、新潟県においては、訪れる外国人観光客の増勢基調が続いていることが分かります。

ただし、上記の新潟県の資料によると、新潟県を訪れる外国人観光客は全域に及んでいるわけではなく、地域によってバラツキがあるようです。例えば、台湾・香港の方は湯沢地区であるとか、ロシアの方は新潟市内であるとか、オーストラリアの方は妙高地区や湯沢地区などといった具合に、新潟県内でも特定の地区に偏っているようです。また、季節的には、スノーシーズンである12月~3月に集中しているようです。

 

RESASを使って確認すると…

新潟県全域ではなく、地区による入込みの違いを視覚的に確認してみたいと思います。それには、何度か、このブログでお伝えしているRESAS(地域経済分析システム)を使うことで確認することができます。ただし、RESASの収録データは、2014年11月から2015年4月の期間のデータであるため、直近の動向を反映しているわけではないことには注意が必要です。

RESASの観光マップの中の「外国人メッシュ分析」を使って、新潟県の各地区に、どの程度外国人観光客が来訪(滞在)したかを表示すると、以下のようになります。色が塗られている所が外国人観光客が来訪した所を示しています。

メッシュ

これをみると、新潟市や長岡市などの都市部の一部や湯沢町など魚沼地区の一部に青色が塗られており、最近公表された新潟県の資料の結果と概ね合致していることが分かります。なお、新潟県内の各地区に塗られている青系の色は、数十人の観光客数が来訪したことを表しているものであり、人数的にも決して多い状況にあるとは言えません。

ちなみに、首都圏を中心とした関東近辺の状況をみると以下のようになります。色が塗られている地区が重なりあって(密集して)いるほか、塗られている色も数百人~千人規模を示す暖色系の色が多くなっています。つまり、関東近辺では、外国人観光客の来訪に関して、地区の偏在も少なく、大勢の外国人が来訪している様子がうかがえます。

 

メッシュ 首都圏

 

今後の県内各地での誘客に期待

以上のように、国や県において、外国人観光客の入込みや宿泊状況を把握する統計データが充実してきているほか、RESASのような視覚的に確認・分析できるシステムが充実してきています。これらを上手く活用することで、県内各地で外国人観光客の誘客に向けた取り組みが活発化し、現在は外国人観光客がそれほど多くない地区においても、誘客が進み、RESASの中の新潟県の地図が色で塗り尽くされる日が来ることを楽しみにしたいと思います。