インバウンドが盛んな都道府県は?外国人延べ宿泊者数の都道府県ランキング(2018年)


新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。毎年、お問い合わせの多い「外国人延べ宿泊者数」について、最新の結果を本日はご紹介したいと思います。

なお、昨年の結果は「インバウンドが盛んな都道府県は?外国人延べ宿泊者数の都道府県ランキング(2017年)」をご覧下さい。

 

インバウンド 旅行者



外国人延べ宿泊者数の推移(2018年)

2018年の外国人延べ宿泊者数については、観光庁『宿泊旅行統計調査』を使って、その人数を確認したいと思います。

まずは、2018年の「外国人延べ宿泊者数」をみると、前年比18.3%増の約9,428万人泊となりました。依然として高い伸び率で推移しており、延べ宿泊者数は過去最高を更新しました。

 

外国人延べ宿泊者数の推移



同様に私たちが住む新潟県の「外国人延べ宿泊者数」をみると、前年比28.4%増の約40万人泊に達しました。ただし、2011年を基準にすると、上昇率は全国を下回っています。


都道府県別にみた外国人延べ宿泊者数(2018年)

続いて、2018年の「外国人延べ宿泊者数」を都道府県別にみると、最も宿泊者数の多い都道府県は東京都となっています。以下、大阪府、北海道、京都府などが続いています。上位の都道府県は昨年と変わりがありません。なお、前年比増加率をみると、岐阜県(前年比52.2%増)、宮城県(同52.0%増)、島根県(同52.0%増)などで特に高くなっています。

 

都道府県にみた外国人延べ宿泊者数・2018年



一方、新潟県は26位とやや下位に位置しています。昨年よりも順位を2つ上げたものの、宿泊者数の水準は他の都道府県に比べると、まだ低い状況にあります。

外国人延べ宿泊者数の割合(2018年)

さらに、「外国人延べ宿泊者数」という人数(規模)だけではなく、日本人などを含めた「延べ宿泊者数」全体に占める「外国人延べ宿泊者数」の割合も確認してみたいと思います。人数だけでは分からない、インバウンドの「盛り上がり度」をみてみましょう。

「延べ宿泊者数」に占める「外国人延べ宿泊者数」の割合を算出すると、大阪府が最も高い割合となっています。昨年より2.8ポイント上昇し、40%に迫る水準に達しています。以下、東京都、京都府、北海道、沖縄県などが続いています。上位の都道府県については、昨年と概ね同じような結果となっています。

 

外国人延べ宿泊者数が占める割合・都道府県別順位

 

一方、新潟県の順位は36位と低迷しています。先ほど示した「外国人延べ宿泊者数」の順位((26位)よりも低い水準にとどまっています。

なお、全国1位、2位、3位である大阪府や東京都、京都府の割合をみると、宿泊者数に占める外国人延べ宿泊者数の割合が30%を超える一方、全国37位以降の都道府県では、1%~3%台にとどまっています。外国人の旅行者が宿泊する地域と、そうでない地域の差がいかに大きいかが理解できる数値となっています。

月別の推移(2018年)

参考までに、月別の宿泊者数の推移も確認してみます。全国的には4月と7~8月がやや多くなり、反対に1月と9月ががやや少ない月となっています。

 

外国人延べ宿泊者数の月別の推移

 

なお、新潟県では、スキー場を訪れる外国人宿泊者が多いこともあり、12~2月に宿泊者が集中しています。ただし、昨年は7~8月の宿泊者も多かったようです。

 

外国人延べ宿泊者数の月別の推移・新潟県

 

国籍(出身地)別にみた外国人延べ宿泊者数(2018年)

参考までに「外国人延べ宿泊者数」を国籍(出身地)別にみると、中国が最も多く、以下、台湾、韓国などが続いています。昨年と同様に、これら上位3か国の人数がやや突出しています。このうち、中国は前年比 26.0%増と特に伸び率が高くなっています。

 

国籍別にみた外国人延べ宿泊者数

 

上位3か国において、都道府県別の宿泊者数をみると、いずれの国籍(出身地)とも東京都や大阪府、さらには北海道、沖縄県などでの宿泊が多くなっています。

ただし、中国では静岡県、神奈川県、山梨県などがトップ10入りしているほか、台湾では長野県、兵庫県、韓国では九州地方なども人気となっており、国籍(出身地)ごとの特徴もみられます。

 

国籍別・都道府県にみた外国人延べ宿泊者数

 

一方、新潟県では台湾が最も多く、以下、中国、韓国、香港、韓国の順です。中でも、中国、香港の伸び率が高くなっています。

 

国籍別にみた外国人延べ宿泊者数・新潟県

 

※国籍(出身地)別にみた外国人延べ宿泊者数は「従業者数10人以上の施設」に対する調査の結果です。

まとめ

2018年の 「外国人延べ宿泊者数」は全国および新潟県とも順調に増加していることが確認できました。

その一方で、東京都と大阪府のように「外国人延べ宿泊者数」の高い伸び率が続き、宿泊者数全体に占める「外国人延べ宿泊者数」の割合が40%近くにまで高まっている地域があるのに対して、その割合がいまだ1~3%にとどまっている地域もあり、地域間の格差は開いたままです。

今後、 海外との玄関口でもある東京都と大阪府を起点にしながらも、全国の様々な地域にも外国人の旅行者に足を多く運んでもらい、宿泊者数全体に占める「外国人延べ宿泊者数」の割合が高まることに期待したいです。

=====

参考:本調査の調査対象は以下のとおりです。

統計法第27条に規定する事業所母集団データベース(総務省)を基に、国土交通省観光庁で補正を加えた名簿から、標本理論に基づき抽出されたホテル、旅館、簡易宿所、会社・団体の宿泊所など。

調査対象施設については、従業者数に応じて以下のとおりとなります。

  •  従業者数10人以上の事業所 : 全数調査
  •  従業者数5人~9人の事業所 : 1/3を無作為に抽出してサンプル調査
  •  従業者数0人~4人の事業所 : 1/9を無作為に抽出してサンプル調査