新潟県におけるインバウンドの現状(2015年度)

 

新潟経済社会リサーチセンターの江口です。

先日、経済産業省「観光予報プラットフォーム」を使って、新潟県全体の宿泊者数の推移や自治体別の宿泊者数をご紹介いたしました。すると、「外国人宿泊者数の動向についても教えてほしい」との声が寄せられました。そこで、今日は「観光予報プラットフォーム」からみた新潟県内のインバウンドの現状について、お伝えいたします。

 

観光予報プラットフォーム

 

観光予報プラットフォームによる外国人宿泊者数の動向把握

①年間推移

観光予報プラットフォームを使って外国人宿泊者数を調べる方法については、こちらの投稿で詳しくご紹介していますのでご確認下さい。簡単にまとめると、

  • 観光予報プラットフォームにアクセス。
  • 対象期間を2015年度に設定。
  • 対象地域を任意に選択。
  • 左のメニューから「観光実績」-「単純集計」を選択。
  • 表示されたグラフについて、設定を「宿泊者(海外のみ)(単位:人)」-「月」-「データを表示」を選択・クリック。

 

観光予報プラットフォームの操作画面

 

この作業を新潟県内の全自治体で実施します。そして全自治体の結果を合計して、まずは新潟県全体の外国人宿泊者数の推移をグラフにしてみました(0人と表示された自治体は除外)。

新潟県 外国人宿泊者数の推移

グラフをみると、海外からの宿泊者数は12月~2月に大きく増加していることが分かります。これは雪を見に来たり、スキーを楽しんだりするために、湯沢町をはじめとした県内各地に外国人観光客が多く訪れているためと思われます。

なお、年間宿泊者数を合計すると、140,790人となります。新潟県「平成26年度本県外国人宿泊数調査結果」をみると、137,206泊となっています。調査年度や調査単位、調査方法などが異なるため、単純には比較できませんが、同様の水準となっています。

さらに、観光庁「宿泊統計調査」(速報値)をみると、27年で外国人延べ宿泊者数が261,300人、従業者数10人以上の施設に限ると、166,690人となっています。調査期間や調査対象、調査方法は異なっていますが、従業者数10人以上の施設の人数とほぼ同じ水準となっています。

 

②自治体別の宿泊者数

今ほどの外国人宿泊者数を自治体別にまとめると、以下のような表となります。湯沢町がトップで、以下、新潟市、長岡市と続いています。

新潟県自治体別の外国人宿泊者数

 

これを新潟県「平成26年度本県外国人宿泊数調査結果」と比較すると、結果は大きく異なっています。新潟県の調査では、湯沢町の 46,583 泊がトップで、以下、新潟市の 35,091 泊、妙高市の28,413 泊、長岡市の 10,537 泊、佐渡市の 6,065 泊の順となっています。順位は似ていますが、泊数に差がみられます。

一方、「観光予報プラットフォーム」の結果は新潟県全体に占める湯沢町の割合が極めて高くなっています。県内観光関係者にうかがってみると、やや現実と乖離しているとの声も聞かれるため、この表は参考程度でみておいた方が良さそうです。

 

③居住国・地域別の宿泊者数

続いて、居住国・地域別の宿泊者数をみていきます。観光予報プラットフォームを使って居住国・地域別の宿泊者数を調べる方法については、以下の通りに操作します。

  • 観光予報プラットフォームにアクセス。
  • 対象期間を2015年度に設定。
  • 対象地域を任意に選択。
  • 左のメニューから「観光実績」-「ランキング」を選択。
  • 表示されたランキング操作画面で、「新潟県◯◯自治体に宿泊した人のランキングを見る」にチェックを入れる。
  • その後、「見たいランキングを選択 」について、「居住国」(単位:人)」を選択。

 

観光予報プラットフォームの操作画面 インバウンド

 

この作業を新潟県内の全自治体で実施します。そして全自治体の結果を合計して、新潟県全体でみた場合の居住国・地域別の外国人宿泊者数の推移をグラフにしてみました(0人と表示された自治体は除外)。すると、台湾が最も多く、以下、香港、シンガポールとなっています。

居住国・地域別の宿泊者数

 

こちらも新潟県「平成26年度本県外国人宿泊数調査結果」と比較すると、結果が大きく異なっています。新潟県の調査では、台湾が33,373泊で最も多く、次いでオーストラリアの22,075泊、中国(香港除く)の16,503泊の順となっています。順位・拍数とも差がみられます。

さらに、観光庁「宿泊統計調査」(速報値)をみると、27年の宿泊者数(従業者数10人以上の施設)については、中国が36,630人と最も多く、以下、台湾の35,430人、韓国の17,640人、香港の12,430人となっています。こちらの結果も異なっています。

したがって、居住国・地域別の宿泊者数については、その統計によって三者三様の結果となっています。

 

まとめ

観光統計については、全体を精密に網羅した統計がないため、今回のように様々な統計を見比べるとともに、観光関係者の声を聞きながら、実態を把握するのが最も良い方法のようです。どれか一つのみを信じるのではなく、面倒くさがらずに幾つかの統計をバランス良く見ることが大切です。

そのため、それぞれの統計の調査方法、調査時期、調査単位、統計の特徴などをしっかり把握しておくことが最低限、必要なようです。