関心を高める手段としてのアイデアソン~仲間作りとしての効果も~

 

新潟経済社会リサーチセンターの銀山です。

最近、アイデアソンという言葉を目にする機会が増えてきました。私も幾度かアイデアソンに参加するなかで、アイデアを発想する手段としての効果を実感した一方で、課題を感じるようになました。

そこで、本日はアイデアソンの概要をご紹介するとともに、個人的に感じたことについてお伝えしたいと思います。

 

 

アイデアソンとは

フリー百科事典「ウィキペディア」によると、アイデアソンに関して下記のように記載されています。

 

アイデアソンは アイデアとマラソンを組み合わせた造語である。 新しいアイデアを生み出すために行われるイベントである。 …中略…

物を作るではなく、アイデアを生むことに重きを置いたイベントである。

 

「アイデアソン」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。
2017年6月27日 (火) 02:04   UTC、URL:http://ja.wikipedia.org/

 

 

アイデアソンの目的

主に、ビジネスにおける新商品や新サービスの開発や、地域の課題解決などを目的に開催されることが多いです。

 

アイデアソンの流れ

アイデアソンの流れについてもフリー百科事典「ウィキペディア」から引用します。

 

①アイデアソンの説明
アイデアソンについて知らない人のためにアイデアソンの簡単な流れを説明する。

②テーマの説明
アイデアソンで扱うテーマについて詳しく説明する。

③問題定義
テーマの問題点をチームやグループワークで出していく。

④アイデア出し
問題を解決するためのアイデアをディスカッション(チームやグループワーク、ペアワーク)する。

⑤アイデア絞り込み
ディスカッション(チームやグループワーク、ペアワーク)で出てきたアイデアを絞り込む

⑥ブラッシュアップ
発表に向けて絞り込んだアイデアを改善していく。

⑦発表
パワーポイントや模造紙でまとめて発表する。

 

「アイデアソン」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。
2017年6月27日 (火) 02:04 UTC、URL:http://ja.wikipedia.org/

 

決まったやり方はないと思いますが、概ねこのような流れで開催されることが多く、ブレインストーミングなどの発想法を使いながら、協同してなるべく多くのアイデアを発想し、そこから、良いアイデアに絞り込み、ブラッシュアップしていくという流れが一般的です。

 

アイデアソンのメインの効果

性別や年代、職業などが異なる多様な参加者と協同しながら、アイデアを多く発想・連想していくことで、既存の枠組みでは考えつかなかったアイデアや、1人では思いもつかなかったような革新的なアイデアを出すことが可能となります。

 

アイデアソンの課題

しかし、上記の効果があるものの、実際に参加するなかで下記のような課題を感じました。

①必ずしも良いアイデアを発想できるとは限らない

多様な参加者が協同して行なうことによって多くのアイデアを出せますが、そのなかから、必ずしも良いアイデアを発想できるわけではありません。ある研究論文によると、参加者が多様になればなるほど、より革新的なアイデアが出る可能性は高まる一方、出されるアイデアの質の平均は低下するというデータがあるそうです。

アイデアソンは短くても半日、長いと2日間の日程で行われることが多く、参加者のなかには、長い時間を掛けてアイデアを考えたとしても、良いアイデアを発想できずに成果を実感できない場合も少なくないのかも知れません。

 

②アイデアを出しただけで終わり、成果がみえない

仮に良いアイデアを発想できたとしても、実現できなければ意味はありません。企業が新商品や新サービスの開発のために行なうのであれば、アイデアの実行者は企業となり、良いアイデアが発想されたら、事業化されていくので成果が伴います。

一方、地域活性化に関するテーマなどで、一般の参加者を募るようなアイデアソンでは、実行者が決まってない場合も多いです。そのため、良いアイデアを発想できたけれども、そこで終わってしまうケースが少なくないです。せっかく長時間を費やしても、実行につながらず、成果がみえないことが多いです。

 

こうした課題を克服する1つの方法として、アイデアソンを1回だけの開催に終わらせるのではなく、定期的に複数回にわたって開催すると良いと感じました。

 

アイデアソンの副次的効果

課題として指摘したとおり、アイデアソンの本来の目的は、課題解決に向けたアイデアの発案だけでなく、そのアイデアの実行を行なうことにあると思いますが、実際、実行に移すことは難しいケースも多いと思われます。しかし、私はアイデアソンに参加するなかで、そのほかにも副次的な効果があると感じるようになりました。

それは、扱ったテーマに関して参加者の関心を高めることができることです

アイデアソンでは、短期間に集中してテーマに沿って多様な参加者とアイデアを出し合って、検討してくなかで、テーマについて深く考え続けます。そして、テーマに対する情報感度が高まり、思考する癖がつきます。その結果、参加者のテーマに関する関心を高めたり、問題意識を強めたりするという効果があると感じました。

さらに、面識のない参加者がチームを組み、1つのテーマをもとに議論を続けるため、チーム内に一体感が生まれやすいという点の効果も実感しました。

 

まとめ

実行者が決まっていない地域の課題解決などをテーマとしたアイデアソンでは、実行に至らないことが多く、私はアイデアが実行に至らない場合はやっても意味がないと感じていたところがありました。

しかし、最近は意識啓発の手段としてアイデアソンを活用することは、効果的だと感じています。例えば、企業のなかには、経営への関心を高める目的で、新事業のアイデアソンなどをやっている企業もあります。その場合は、必ずしも事業化することを求めてはいません。

簡単には解決できない地域の課題について関心を高めてもらい、行動を促していく手段、あるいは仲間作りの場として、アイデアソンを活用することは有効なのではないかと感じました。