ふるさと納税 納税額 自治体ランキング!~新潟県の順位は?~

 

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

応援したい自治体に寄付すると、納税負担が軽減される「ふるさと納税」の受入額と受入件数が近年、増加しています。そこで、どの程度、増えているのか?あるいは、どの地域が人気なのか?を調べてみましたので、本日はその結果をご紹介いたします。

 

ふるさと納税 ランキング 自治体 新潟

 

ふるさと納税とは?

ふるさと納税とは、総務省「ふるさと納税ポータルサイト」によると、

 

自分の選んだ自治体に寄附(ふるさと納税)を行った場合に、寄附額のうち2,000円を越える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除される制度です(一定の上限はあります。)。

例えば、年収700万円の給与所得者の方で扶養家族が配偶者のみの場合、30,000円のふるさと納税を行うと、2,000円を超える部分である28,000円(30,000円-2,000円)が所得税と住民税から控除されます。

 

総務省「ふるさと納税ポータルサイト」のWebsite「ふるさと納税の仕組み」
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido /furusato/mechanism/about.html

実状に照らし合わせてみると、寄付された自治体の多くが寄付者に地元特産品をはじめとした返礼品を贈っているため、寄付額に関わらず2,000円の実質負担で魅力的な返礼品を受け取ることのできる制度となっています。

なお、ふるさと納税の議論は、

 

今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた「ふるさと」に、自分の意思で、いくらかでも納税できる制度があっても良いのではないか」という問題提起

 

総務省「ふるさと納税研究会」(2007年10月)『ふるさと納税研究会報告書』
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/furusato_tax/

から始まったとされています。

 

ふるさと納税の受入額と受入件数の推移

それでは、ふるさと納税の受入額と受入件数について確認してみましょう。

総務省『ふるさと納税に関する現況調査結果』(平成29年度実績)によると、2017年度のふるさと納税受入額は前年比28%増の約3,653億円となり、5年連続で過去最高を更新しました。ただし、増加率は鈍化しています。総務省の求めに応じて、豪華な返礼品を見直した自治体が多かった影響があったとみられます。総務省では寄附額に対する返礼品の調達価格の割合を3割以内に抑えるほか、地域内で生産されたモノや提供されるサービスを返礼品とするように自治体に通知しています¹。

 

ふるさと納税 受入額と件数 推移 全国

 

一方、2017年度のふるさと納税受入件数も前年比36%増の1,730万件となり、過去最高を更新しました。

ふるさと納税の受入額と受入件数の推移をみると、2015年度頃から急増していることが分かります。その背景には、自治体間で返礼品競争が起こり、肉、魚、米、日本酒などの豪華な返礼品が用意されるようになったことがあります。

加えて、2015年度に制度が改正されたことも影響しています。具体的には、全額控除される「ふるさと納税枠」が約2倍に拡充されました。さらに、確定申告の不要なサラリーマンなどが確定申告を行わなくても、ふるさと納税の寄附金控除を受けられる制度も生まれて、手続きが簡素化されたことも影響しているようです²。

その他にも、ふるさと納税の専門ウェブサイトをはじめとしたインターネットの活用や、被災地への寄付増加なども要因として考えられます。

 

都道府県別の受入額

上記で確認した受入金額を都道府県別と団体(自治体)別にみてみましょう。

 

都道府県別の順位

2017年度のふるさと納税受入額を都道府県別にみると、北海道が約365億円で最も多くなっています。以下、佐賀県、宮崎県、山形県、大阪府となっており、私たちが住む新潟県は約64億円で第18位でした。上位には、魅力的な特産品を返礼品にしている地域が並んでいるような印象です。なお、都道府県別の金額は都道府県と市町村の受入額を合計した数値となっています。

 

ふるさと納税 都道府県 ランキング

 

団体別の順位

同様に、2017年度のふるさと納税受入額を団体(自治体)別にみると、大阪府泉佐野市が約135億円でトップです。以下、宮崎県都農町、宮崎県都城市、佐賀県みやき町、佐賀県上峰町が続いています。このうち、泉佐野市は寄附額に対する返礼品の調達価格の割合が高い上に、品揃えも地場産品以外の返礼品を含んだ豊富な種類を用意していることが人気となっているようです。

 

ふるさと納税 受入額と件数 都道府県別

 

新潟県内の受入額と受入件数

新潟県内のふるさと納税についても確認しておきたいと思います。

まずは、2017年度のふるさと納税受入額をみると、新潟県全体では前年比48%増の約64億円となり、6年連続で過去最高を更新しました。また、2017年度のふるさと納税の受入件数も前年比50%増の約29万件となり、こちらも過去最高を更新しました。

 

ふるさと納税 受入額と件数 推移

 

続いて、2017年度のふるさと納税受入額を新潟県内の団体(自治体)別にみると、燕市が最も多くなっています。以下、南魚沼市、阿賀町、長岡市、魚沼市の順となっています。

 

ふるさと納税 新潟県 ランキング

 

問題点

ふるさと納税の受入額と受入件数が増加する一方、様々な問題点も指摘されています。例えば、導入の際に議論の出発点となった

 

今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた「ふるさと」に、自分の意思で、いくらかでも納税できる制度があっても良いのではないか」という問題提起

 

総務省「ふるさと納税研究会」(2007年10月)『ふるさと納税研究会報告書』
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/furusato_tax/

から離れて返礼品競争が激しくなっています。つまり、寄付する側もされる側も「返礼品をどのような商品にするのか?」という点に興味が集中しがちになっています。

その他にも、人口の多い大都市圏の住民が地方にふるさと納税をすることで、大都市圏の税収が減ったり、高所得者ほどより一層多額の税金を控除してもらえたりする点も問題視されています³。

さらに、受け入れたふるさとの納税の活用状況(事業内容等)が公表されていない団体(自治体)もあり、どのような事業に使用したか?をしっかりと公表していくことを求める声が今後強まると思われます。総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果」(平成29年度実績)をみると、ふるさと納税について「受入額実績は公表しているが、活用状況(事業内容等)は公表していない」団体(自治体)が417団体となっており、全体の約23%を占めています。また、「受入額実績・活用状況(事業内容等)のいずれも公表していない」団体(自治体)も199団体と全体の約11%となっており、合わせて約1/3の団体(自治体)が活用状況を公表していない状況にあります。

 

ふるさと納税 活用状況

 

加えて、ふるさと納税の活用方法についてもより一層の工夫が欠かせません。総務省の同調査や総務省の「ふるさと納税活用事例集」をみると、長崎市五島市では、小中学校に電子黒板機能付きプロジェクターやスクリーン、タブレット等を導入し、遠隔授業を通じて島内他校や他県、外国との交流を推進している事例などが紹介されています。なお、五島市ではその子どもたちが授業を受ける様子をお礼の動画として制作して寄付者に公開しているようです。

 

まとめ

魅力的な返礼品の品揃えも大切ですが、最後にご紹介した長崎市五島市の事例のように、資金使途や返礼方法に工夫を凝らしていけば、ふるさと納税への興味・関心がさらに高まり、より一層の利用拡大と効果的な活用が進むと思われます。

 

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1 総務省(2018年4月2日)「ふるさと納税に係る返礼品の送付等についての総務大臣通知」
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zeimu04_02000053.html

総務省(2017年4月3日)「ふるさと納税に係る返礼品の送付等について」
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zeimu04_02000037.html

 

2 総務省「ふるさと納税ポータルサイト」のWebsite「制度改正について」

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/topics/20150401.html

 

3 みずほ総合研究所(2016)「ふるさと納税の現状と課題」『みずほインサイト』2016年11月29日

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/pl161129.pdf