観光客が多く訪れる都道府県は?延べ宿泊者数の都道府県ランキング(2018年)

 

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

先日、外国人旅行者が多く訪れる都道府県についてご紹介いたしましたので、本日は日本人を含めた宿泊者数全体の動向(2018年)について、お知らせいたします。

なお、2017年の結果については、「どこが多い!都道府県別にみた延べ宿泊者数ランキング(2017年)」をご覧下さい。

 

旅行者

 

※日帰りを含めた観光客の動向をその目的も加味して正確にとらえることは難しいことから、今回は、宿泊施設に宿泊した人数である「延べ宿泊者数」を観光客に置き換えて把握することにします。

 

延べ宿泊者数(2018年)

宿泊者数の動向については、観光庁『宿泊旅行統計調査(年の確定値)』を活用しながら、確認していきます。

まず、全国の「延べ宿泊者数」(2018年)をみると、前年比5.6%増の約5億3,800万人泊となり、調査開始以来、最も多い宿泊者数となりました。このうち、日本人延べ宿泊者数は前年比3.2%増の4億4,373万人泊、外国人延べ宿泊者数は同18.3%増の9,428万人泊でした。ともに過去最高の人数です。

 

延べ宿泊者数の推移・2018年

 

なお、延べ宿泊者数に占める外国人の割合をみると、年々、上昇を続けており、2018年は17.5%に達しています。

 

外国人延べ宿泊者数の割合・2018年

 

一方、私たちが住む新潟県の「延べ宿泊者数」(2018年)は前年比4.2%減の約977万人泊となり、3年連続で前年を下回りました。

2011年を基準にすると、年によって上下していますが、全国が概ね増加傾向で推移しているのに対して、新潟県はほぼ横ばいにとどまっています。

参考まで、全国の「延べ宿泊者数」を月別にみると、夏休み時期にあたる8月が突出して多くなっている一方、1~2月がやや少なくなっています。これに対して、新潟県の「延べ宿泊者数」は8月が最も多くなっているものの、4月と6月が低く、全国に比べて繁閑の差がみられます。

 

延べ宿泊者数の月別・2018年

 

延べ宿泊者数の月別・新潟県・2018年



都道府県別にみた延べ宿泊者数

全国の「延べ宿泊者数」を都道府県別にみると、2018年で最も「延べ宿泊者数」の多かった都道府県は東京都でした。以下、大阪府、北海道、沖縄県、千葉県、神奈川県、静岡県、京都府などが続いています。大都市や、著名な観光スポットを抱える都道府県が上位を占めています。また、全国1位の東京都の宿泊者数は、2位である大阪府の約1.7倍の規模となり、やや突出しています。

なお、前年比増加率をみると、沖縄県(前年比23.5%増)、大阪府(同20.1%増)、鳥取県(同19.1%増)などで特に高くなっています。

 

都道府県にみた延べ宿泊者数・2018年

 

 

一方、新潟県は16位でした。隣接県と比べると、長野県の9位、福島県の13位よりも下位にとどまっています。

都道府県別にみた平均滞在日数

「延べ宿泊者数」を実宿泊者数で割ると、「平均滞在日数」が把握できます。参考までにこの日数も確認しておきましょう。

「平均滞在日数」は全国平均で1.332泊となり、昨年よりも0.009泊伸びています。これを都道府県別にみると、沖縄県が最も多く、1.661泊となっています。以下、京都府、東京都、大阪府と続いており、これらの地域では連泊する人が他の地域に比べて多いことがうかがわれます。やはり大都市や、著名な観光スポットを抱える都道府県が上位となっています。

 

都道府県にみた平均滞在日数・2018年

 

 


一方、新潟県は1.306泊となり、14位でした。全国平均をやや下回る水準ではあるものの、順位は昨年よりも1つ上がっています。数日にわたってスキーを楽しむ「スキーヤー」による利用などが後押ししているのかもしれません。

客室稼働率の推移

続いて、宿泊施設の「客室稼働率」をみてみましょう。全国における「客室稼働率」は、2018年で61.2%となりました。「延べ宿泊者数」の推移と同様に、「客室稼働率」は前年に比べ0.7ポイント上昇しました。ただし、長期的にみれば、2015年以降は概ね横ばいで推移しています。

 

施設タイプ別の客室稼働率

 

 

2018年の客室稼働率を施設タイプ別にみると、シティホテルが80.2%(前年差+0.7ポイント)と最も高く、以下、ビジネスホテルが75.3%(同+0.2ポイント)、リゾートホテルが58.3%(同+0.8ポイント)、旅館が38.8%(同1.3ポイント)などと続いています。

 

客室稼働率のタイプ別の推移・2018年

 

 

一方、新潟県の「客室稼働率」は2018年で41.7%となり、前年を0.5ポイント下回りました。長期的にみれば2011年以降、ほぼ横ばいで推移しています。また、全国平均と比べると、全国を大きく下回る水準が続いています。

2018年の稼働率を施設タイプ別にみると、新潟県内ではビジネスホテルが68.0%(前年差+1.6ポイント)と最も高く、以下、シティホテルが64.3%(同+1.2ポイント)、リゾートホテルが33.7%(同4.6+ポイント)、旅館が26.3%(同+0.3ポイント)などとなっています。

 

客室稼働率のタイプ別の推移・新潟県・2018年

 

 

次いで、「客室稼働率」を都道府県別にみてみましょう。2018年で最も「客室稼働率」が高かったのは東京都で80.0%(前年差±0.0ポイント)でした。以下、大阪府が79.6%(同-2.8ポイント)、福岡県が72.2%(同-0.6ポイント)、愛知県が70.1%(同-1.2ポイント)などとなっています。大都市が多く、観光需要以外にもビジネス需要なども取り込んでいるものと思われます。

 

都道府県にみた客室稼働率・2018年

 

これに対して、新潟県は先程ご紹介したとおり、41.7%にとどまり、46位と低迷しています。施設タイプ別にみると、全国に比べて特に、リゾートホテルやシティホテルなどの水準が低くなっています。

地域外(都道府県外)客の割合(2018年)

最後に、「延べ宿泊者数」を居住地別(都道府県内外別)にみることで、各地の特徴や商圏の広さなどを確認してみましょう。

「延べ宿泊者」全体に占める地域外(都道府県外)の「延べ宿泊者数」の割合が高い地域をみると、京都府が86.7%と最も高くなっています。以下、奈良県が86.4%、山梨県が85.1%などと続いており、府県外の需要を取り込んでいる様子がうかがえます。一方、面積が広く、地域内の需要が大きい北海道は58.3%と最も低い割合となっています。なお、新潟県も68.4%と全国43位の低い水準にとどまっています。

 

地域外の宿泊者数の割合

 

 

※地域外の需要を地域内に呼び込めば、地域経済に大きな効果をもたらしますが、地域内の需要の大きさや、地域の面積の広さなどにも左右されるため、必ずしも地域外(都道府県外)の「延べ宿泊者数」の割合が高いほど良好な地域であるというわけではありませんので、ご注意下さい。

感想

手間は多少かかりますが、過去との比較や、47都道府県別の順位を確認すると、自分の住む地域の立ち位置や特徴・課題が見えてくるものだと改めて、その大切さを実感しました。


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参考:本調査の調査対象は以下のとおりです。

統計法第27条に規定する事業所母集団データベース(総務省)を基に、国土交通省観光庁で補正を加えた名簿から、標本理論に基づき抽出されたホテル、旅館、簡易宿所、会社・団体の宿泊所など。

調査対象施設については、従業者数に応じて以下のとおりとなります。

● 従業者数10人以上の事業所 : 全数調査
● 従業者数5人~9人の事業所 : 1/3を無作為に抽出してサンプル調査
● 従業者数0人~4人の事業所 : 1/9を無作為に抽出してサンプル調査