統計データで確認!日本茶(緑茶)の消費動向…上位は静岡市・鹿児島市・浜松市

 

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

先日、「紅茶の消費動向は?地域別の消費量ランキングは川崎市…」という投稿をしました。これまで紅茶とココアの消費動向についてお伝えしてきましたので、本日は、緑茶についてご紹介いたします。

 

緑茶 消費動向

 

緑茶とは?

まずは、「緑茶」の概要をおさえておきましょう。フリー百科事典「ウィキペディア」によると、以下のように説明されています。

 

ほとんどの日本茶は不発酵茶である緑茶であるが、ごく一部では中国茶の黒茶に近い発酵茶が製造されていて、漬物茶と呼ぶ。

(中略)

緑茶の多くは、蒸すことで加熱処理をして酸化・発酵を止めたのち、揉んで(揉まないものもある)、乾燥させる製法をとる。この方法は日本独自で発展したものであり、世界的にみても製茶過程で”蒸し”という工程が行われている国は他に類を見ない。 茶葉は摘んでまもなく加熱処理されるのですぐに発酵が止まる。このため、日本茶は普通緑茶を指す。

(中略)

茶は平安時代に中国から日本へ伝わった。僧・栄西が鎌倉時代初めに『喫茶養生記』を将軍・源実朝に献上し、飲茶は寺僧や公家だけでなく武士、さらには豪商にも広まった。水分補給や健康維持のために飲むだけでなく、文化としての茶道も確立。江戸時代になると、茶は町人・農民にも飲まれるようになった。

 

「日本茶」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。

2019年1月26日 (土) 17:38  UTC、URL:http://ja.wikipedia.org/

 

同じ緑茶でも、日本の緑茶と他国の緑茶とは製法が異なるようです。

 

緑茶の生産動向

栽培面積・摘採実面積

続いて、緑茶の生産動向から確認していきましょう。

農林水産省大臣官房統計部「平成30年産茶の摘採面積、生葉収穫量及び荒茶生産量(主要県)」によると、主要県の緑茶栽培面積や摘採実面積は緩やかな低下傾向をたどっています。関東農政局「茶の動向」によれば、生産者の高齢化などから零細茶園を中心に減少していることが背景にあるようです。

 

緑茶の栽培面積、摘採実面積

 

生葉収穫量・荒茶生産量・10a当たり生葉収量

一方、生葉収穫量や荒茶生産量をみると、概ね横ばい圏内で推移しています。先程ご紹介した摘採実面積が減少する一方、生葉収穫量がほぼ横ばいで推移しているため、10a当たり生葉収量は近年、上昇しています。

農林水産省「茶をめぐる情勢」には、「茶農家の経営面積は規模拡大が進んでおり、特に鹿児島県では規模拡大が顕著」と記載されています。

 

緑茶の生葉収穫量、荒茶生産量、生葉収量

 

都道府県別生葉収穫量・荒茶生産量

続いて、生葉収穫量と荒茶生産量を都道府県別にみると、静岡県が最も多く、次いで鹿児島県となっています。予想以上に鹿児島県の量が多かったという感想です。

なお、規模拡大については、農林水産省「平成28年度茶需給・流通状況調査委託事業」によると、「鹿児島県のような後発産地では低コスト生産を進めており、乗用型の大型機械での摘採が行われるなどしている。機械は、生産者共同出資の荒茶工場が保有し、集団経営による運営という形がとられている。」と詳しく紹介されています。

 

緑茶の都道府県別の生葉収穫量、荒茶生産量

 

緑茶の消費動向

それでは、緑茶の消費動向を確認してみましょう。

緑茶の消費動向については、総務省『家計調査』を使って確認していきます。なお、「家計調査」の見方については、こちらの投稿をご確認下さい。

 

年間支出金額の推移

緑茶に対する1世帯当たりの年間支出金額は、長期的にみると、減少傾向をたどっています。ただし、近年は年間4,100円前後でほぼ横ばいで推移しており、先程、ご紹介した生葉収穫量・荒茶生産量と概ね同じ傾向となっています。

なお、家計調査をみると、緑茶は茶葉のみとされており、番茶・煎茶・玉露・粉茶 ・抹茶が含まれ、麦茶は除かれています。また、ドリンクタイプは緑茶・ウーロン茶・紅茶・麦茶をまとめた「茶飲料」として別のカテゴリでまとめられています。

 

緑茶の消費量・消費金額

 

月別の支出金額

次いで、月別の支出金額を確認してみましょう。

下のグラフのとおり、ホットで飲む場合が多いことから夏に支出金額が減り、冬に支出金額が大きくなる傾向にあります。ただし、新茶が出回り始める5~6月の支出金額も大きくなっています。

 

緑茶の消費量・消費金額の月別

 

年代別の支出金額

続いて、2017年の支出金額を世帯主の年齢階級別にみると、「70歳~」と「60~69歳」で支出金額が特に多くなっています。茶葉のみの集計あるため、年代が高い層での支出金額が多くなる傾向にあります。一方、ドリンクタイプである茶系飲料の支出金額を年齢階級別にみると、若年層でも支出が多くなっています。

 

緑茶の消費動向・年代別

 

地域別の消費ランキング

参考までに1世帯あたりの年間支出金額(2015年~2017年平均)を都道府県庁所在市(政令指定都市を含む)別¹にまとめたものが下の表です。

支出金額・数量とも上位の自治体は生産量の多かった静岡県や鹿児島県の自治体で占められています。

 

緑茶の消費動向・自治体別

 

なお、私たちの会社がある新潟市は支出金額で23位、数量で39位となっています。「紅茶の消費動向は?地域別の消費量ランキングは川崎市…」の投稿の際にもお伝えしましたが、新潟県村上市では「村上茶」が栽培されていますので、より多くの人にお茶を楽しんでもらいたいものです。

なお、「村上茶」は村上市観光協会のWebsiteによると、

 

村上茶の歴史は古く、栽培の歴史は江戸時代初期(1620年代)までさかのぼります。村上藩の大年寄・徳光屋覚左衛門(とくみつやかくざえもん)が宇治伊勢の茶の実を買い入れ、主要地場産業にしようとしたのがその始まりといわれ、約400年の歴史があります。

※当時の村上藩主・堀丹後守直竒(ほりたんごのかみなおより)が自ら宇治から取り寄せたとの説もあり

その後、先達の努力により栽培・製茶とも改良が続けられ、茶畑の面積は明治時代には400haにもなり、製造された緑茶や紅茶はニューヨークやウラジオストクにも輸出されました。

(中略)

東北地方でも、お茶の栽培は昭和の初めごろまで盛んに行われていました。しかし、時代が進むにつれて温暖な産地の生産性や品質が向上し、寒冷な産地は次第に競争力を失って廃れていきました。

こういった中でも村上茶が生き残れたのは、海岸側にあって比較的積雪量が少なく、しかも適度な積雪が茶の木を寒風から保護してくれること、冬期の最低気温も-10度以下になることが少ない、などの条件が恵まれていることが挙げられます。そして、何よりも村上の人々が長い年月をかけ、根気よく栽培技術を磨いてきたことが産地死守につながったのです。

 

村上市観光協会「村上茶の歴史 ~ 先達の知恵と技を受け継ぎ さらなる高みへ ~」

https://www.sake3.com/murakamicha/39

 

何度も村上市を訪れていますが、こうした歴史は知りませんでした。なお、村上市観光協会では毎年5月下旬頃に茶摘体験を開催しているようです。興味のある方はぜひ、参加してみてください。

 

他の飲料との比較

最後に、緑茶の100世帯当たりの購入頻度と1世帯当たりの年間支出金額を参考までに他の飲料と比べてみました。

下の図のとおり、購入頻度、年間支出金額とも紅茶などの茶葉に比べると高いですが、コーヒーやコーヒー飲料を下回っています。

ただし、茶飲料は購入頻度、年間支出金額とも高くなっています。

 

緑茶・コーヒー・紅茶・ココアの購入頻度と支出金額

 

感想

生産、消費ともに予想以上に鹿児島県の数量等が多かった印象です。いつも思うことですが、自分の思い込みではなく統計で確認することは大切だと感じました。

 

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¹都道府県庁所在市(政令指定都市含む)の結果はサンプル数が少ないため、参考として記載しました。必ずしも実態を反映しているとは限りませんので、ご注意下さい。

 

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