グッドデザイン賞、商店街やまちづくりも対象に・・・

 

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

先日、グッドデザイン賞(2017年度)の発表がありました。新潟県内の企業・団体等では29件が受賞されましたので、その一部をご紹介したいと思います。

 

松之山温泉 グッドデザイン賞

 

グッドデザイン賞とは?

まずは、グッドデザイン賞について、その概要を確認しておきたいと思います。グッドデザイン賞を主催する公益財団法人日本デザイン振興会のWebSiteによると、

 

グッドデザイン賞は、様々に展開される事象の中から「よいデザイン」を選び、顕彰することを通じ、私たちのくらしを、産業を、そして社会全体を、より豊かなものへと導くことを目的とした公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「総合的なデザインの推奨制度」です。
その母体となったのは、1957年に通商産業省(現経済産業省)によって創設された「グッドデザイン商品選定制度(通称Gマーク制度)」であり、以来約60年にわたって実施されています。その対象はデザインのあらゆる領域にわたり、受賞数は毎年約1,200件、60年間で約44,000件に及んでいます。

公益財団法人日本デザイン振興会「グッドデザイン賞とは」
https://www.g-mark.org/about/  (2017年10月16日アクセス)

と説明されています。

「グッドデザイン賞」という名前は有名ですが、まさか約60年もの歴史があったとは知りませんでした。

 

2017年度の受賞結果

2017年度の受賞結果をみると、1985年以降で最も多い4,495件のデザインを対象に審査をした結果、1,403件(前年比+174件)が決まったようです。

意外だったのは、海外の受賞件数が多いことです。台湾で86件、中国で75件、韓国で50件などとなっています。

一方、国内の受賞件数を都道府県別にみると、東京都がひときわ目立っており、578件と最も多くなっています。以下、大阪府が198件、神奈川県が60件、愛知県が47件、静岡県が35件となっています。

私たちが住む新潟県は29件で第6位と上位に位置しています。特に、ものづくりが盛んな県央地域の件数が多いようです。

新潟県で受賞された29件のデザインをみると、有形無形を問わず幅広い領域に及んでいます。こうした中で、今回は過去に取材した経験があり、商店街とまちづくりの分野で受賞された2件をご紹介いたします。

 

グッドデザイン賞 都道府県別

 

受賞対象名:商店街 [沼垂テラス商店街]
事業主体名:株式会社テラスオフィス

「地域・コミュニティづくり/社会貢献活動」という分類で、新潟市の「沼垂テラス商店街」が受賞されています。青果市場だった長屋の建物を改装して誕生した、おしゃれで個性的な商店街です。

 

沼垂テラス商店街

 

公益財団法人日本デザイン振興会のWebSiteによると、審査員からは次のように評価されています。

 

補助金や助成金に頼らず、民間力で賑わいを取り戻したことを評価した。近年、新潟では沼垂地区一帯に若い店主が個性的な店を新規開業する例が増えており、地域全体の刺激になっている点も評価のポイントとなった。

公益財団法人日本デザイン振興会 「商店街 沼垂テラス商店街]
http://www.g-mark.org/award/describe/46044?token=rOmncBw87Q
(2017年10月16日アクセス)

私自身も、事業主体であるテラスオフィスさんからお話を伺わせていただいた経験があるのですが、その際、「地域活性化に向けた取り組みとは、その地域に対する愛着と、しっかりとしたコンセプトにもとづいて様々な行動をしていかなければならないのだな」と強く感じ、とても勉強になったことを覚えています。

なお、同社の取り組みについては、「市場跡が魅力的な商店街に生まれ変わった! 沼垂テラス商店街 誕生の道のり・1」と題して、投稿したことがあるので、興味のある方は参考にしてみて下さい。

 

受賞対象名:まちづくり [松之山温泉景観整備計画]
事業主体名:松之山温泉合同会社 まんま

「沼垂テラス商店街」と同じく、「地域・コミュニティづくり/社会貢献活動」という分類で、十日町市の「松之山温泉景観整備計画」が受賞されています。温泉熱を活用した道路の消雪パイプ敷設をきっかけとした温泉街の景観整備の取り組みです。

 

 

松之山温泉 グッドデザイン賞

 

公益財団法人日本デザイン振興会のWebSiteによると、審査員からは次のように評価されています。

 

温泉熱は消雪だけでなく、旅館の調理などにも利用され、自然エネルギーの幅広い活用方法として注目に値する。消雪パイプ設備の建屋等は東京の建築家が設計しているが、プロジェクトの中身には地域住民、そして地元在住のデザイナーがしっかり関わっている点を評価したい。

公益財団法人日本デザイン振興会 「まちづくり 松之山温泉景観整備計画」
http://www.g-mark.org/award/describe/46040?token=rOmncBw87Q
(2017年10月16日アクセス)

事業主体である松之山温泉合同会社まんまさんについては、設立の際から私自身も関わらせていただいていますが、料理メニュー開発や観光プランの企画など、これまでの約10年にわたる様々な取り組みが重なり合って、今回の受賞につながったと思います。

なお、温泉熱の取り組みについては、「松之山温泉で進められているバイナリー発電を活用した地域活性化の取り組み・1」と題して、投稿したことがあるので、興味のある方は参考にしてみて下さい。

 

まとめ

商店街やまちづくり分野では、従来から景観の大切さが指摘されてきましたが、今回の受賞された2事例とも単にデザインを整えただけではない点が興味深いです。背後に、しっかりとしたコンセプトと、コンセプトに合致した多くの工夫・取り組みがある点に共通性があります。つまり、表面だけではなく、内面も重要なのだと実感しました。