市場跡が魅力的な商店街に生まれ変わった! 沼垂テラス商店街 誕生の道のり・2

 

新潟経済社会リサーチセンターの佐藤です。

前回に続き、「市場跡が魅力的な商店街に生まれ変わった! 沼垂テラス商店街 誕生の道のり」の後半についてご紹介いたします。

なお、前編はこちらをご覧下さい。

 

▲近隣の人や見物客で賑わう沼垂テラス商店街

▲近隣の人や見物客で賑わう沼垂テラス商店街(写真提供 テラスオフィス社 以下同じ)

 

より一層の発展を目指して

先駆的な3店とともに従来から市場跡で営業を続けていた八百屋、雑貨屋など4店を合わせ、市場跡は徐々に商店街に生まれ変わり始めました。田村社長と高岡専務が目指したのは「市場で使っていた長屋式の建物を生かし、レトロ感のある、ぶらぶらと歩いてみたくなる商店街」です。

メディアで取り上げられたこともあり出店についての問い合わせは増えつつありましたが、出店希望者のすべてを受け入れたわけではなかったのです。面談などを通して、二人のコンセプトに賛同してくれるか、賑わいのある商店街創りに一緒に取り組んでいけそうかなどの観点から出店希望者の見極めを行いました。また、ものづくりを通して店主の魅力やモノの魅力を感じさせる「沼垂に来なければ出会えない店」を中心にテナントを選んでいきました。

出店希望者のなかには、事業計画を作成していない人や起業資金に不安がある人もおり、そのような場合は商工会議所の起業相談窓口や新潟県の起業補助金制度等を紹介しました。そうした話を前向きに捉えてセミナーに参加したり補助金申請に取り組むかどうかで、出店希望者の本気度がわかるとのことです。

テラスオフィスの資金が必ずしも潤沢ではなかったこともあり、出店者には、家賃を安く抑える代わりに内装は自己負担で行っていただくことをお願いしました。出店者が改装工事を行う際、当初は田村社長も外壁塗装を手伝ったそうです。

今でこそ商店街復活の取り組みが評価され、新潟市が周辺案内板の設置や公衆トイレの整備を決めてくれましたが、取り組みを始めた頃はすべてを自己負担で行っていたそうです。資金繰りを考えて様々な工夫を行うとともに、できる限り自前で行う努力をしたとのことです。

▲できることは自前でやります!

▲できることは自前でやります!

 

現在、商店街全体の運営管理はテラスオフィスが担っています。商店街の魅力アップ、来店客増加、情報発信などにおいて様々な工夫がなされています。

テナントミックスはよく考慮されています。手作りの装飾、陶芸品などの店を配置して地域外の人々へアピールする一方、生鮮食品、パン、花、居酒屋などの日用品やサービスを扱う店を配置して地域の人々にも来店を促しています。近隣に大型スーパーがないため、日用品を扱う店は地域の人々から重宝されています。日用品を買いに来た人たちが装飾店を覗いたりカフェを利用するなど、相乗効果も期待できるわけです。

商店街のHPは、デザイナーに依頼し、明るく楽しい雰囲気に仕上げています。沼垂地区の歴史、商店街復活のストーリーなど商店街全体の紹介やPRを行う傍ら、オーナーの想いとともに個々のテナントの情報を掲載しています。写真ありブログありで見ているだけで楽しいです。各テナントはほとんどが単独でHPやSNSなどの発信手段を持っていますが、それを商店街のHPにリンクさせてPR効果や相乗効果を更に高めています。

テラスオフィスが新たに始めたのが周辺の空き家の活用事業です。長屋式建物が満室となったため、当社が周辺の空き家を借りたり買い取ったりして、それを出店希望者に賃貸するものです。すでに実績もでき、商店街近隣の空き家に、写真集などの新刊・古書を取り扱う書店がオープンしました。エリアが広がって商店街の集客力がアップするとともに、管理会社であるテラスオフィスの収入確保・運営費捻出にもつながります。さらに地域の空き家対策にも貢献するなど、様々な効果が期待できる取り組みです。今年の11月には第2号案件として古民家を改装した「ゲストハウス」が誕生する予定です。滞在型のサービスも提供できるようにしたいなど、アイデアがどんどん広がっています。

田村社長が市場跡にデリショップを開いてから6年。市場跡のレトロな雰囲気を最大限に活かした運営を行うテラスオフィスと、こだわりの商品を扱う感性豊かな店主さんたちにより順調に育ちつつある沼垂テラス商店街。近隣の人々との結びつきを深めながら地域に一層の賑わいをもたらすことを期待したいものです。

▲朝市の様子。ゆったりとした雰囲気がいいですね。

▲朝市の様子。ゆったりとした雰囲気がいいですね。

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『センター月報』2016年10月号の「潮流 県内最新トピックス 第7回」を加除修正いたしました。