家計調査で確認!魚と肉の消費動向

肉と魚の摂取量

 

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

先日、「統計データで確認!漁業生産量の推移」という投稿をした際、魚介類の摂取量は肉類を下回っているとのデータをお伝えしました。本日はこの点をより掘り下げながら様々なデータをご紹介していきたいと思います。

 

魚と肉の消費動向

厚生労働省『国民健康・栄養調査』によると、2006年頃から、魚介類の摂取量は肉類を下回り始め、その後、差は拡大し続けています。

 

肉食と魚介類の摂取量


他の調査でも同様の傾向がみられるのか?また月次や年代別、地域別の動向はどうなっているのか?など、より詳細の消費動向を確認するため、今回は総務省『家計調査』をもとに魚と肉の消費データをご紹介したいと思います。なお、「家計調査」の見方については、こちらの投稿をご確認下さい。

 

年間支出金額の推移

まずは、生鮮魚介と生鮮肉に対する1世帯当たりの年間支出金額を長期的に確認したいと思います。すると下のグラフのとおり、生鮮魚介は減少傾向をたどっている一方、生鮮肉は増加傾向で推移しています。先程、ご紹介した厚生労働省『国民健康・栄養調査』によると、肉類の摂取量は2006年に魚介類を超えていますが、総務省『家計調査』では2004年に生鮮魚介に対する支出が生鮮肉を超えています。いずれにしても2004年~2006年頃に魚よりも肉に対する消費額・消費量が多くなったようです。

なお、家計調査によると、「生鮮魚介」には「鮮魚」「貝類」が含まれ、塩さけ、たらこなどの「塩干魚介」やちくわ、かまぼこなど「魚肉練製品」は除かれていまする。一方、「生鮮肉」には「牛肉」「豚肉」「鶏肉」「合いびき肉」などが含まれ、ハム、ソーセージなど「加工肉」は除外されています。

 

生鮮魚介・生鮮肉の支出金額

 

月別の支出金額

次いで、月別の支出金額を確認してみましょう。

下のグラフのとおり、生鮮魚介・生鮮肉ともクリスマスや大晦日などがある12月の支出金額が突出しています。ただし、それ以外の月は概ね大きな変動がみられません。

 

生鮮魚介・生鮮肉の支出金額の月別

 

年代別の支出金額

続いて、2017年の支出金額を世帯主の年齢階級別にみると、生鮮魚介は「70歳~」と「60~69歳」で支出金額が特に大きくなっています。

一方、生鮮肉をみると、支出金額は「50~59歳」「40~49歳」で大きくなっています。ただし、消費支出全体に占める生鮮肉に対する支出割合をみると、「70歳~」と「60~69歳」で特に高くなっており、生鮮魚介に比べれば、幅広い年代層で購入されているようです。また、いずれの年代でも生鮮肉の支出金額が生鮮魚介を上回っています。

 

生鮮魚介・生鮮肉の支出金額の年代別

 

地域別の消費ランキング

参考までに1世帯あたりの年間支出金額(2015年~2017年平均)を都道府県庁所在市(政令指定都市を含む)別¹にまとめたものが下の表です。

支出金額と数量では結果がやや変わるため、それぞれに確認したいと思います。

まずは生鮮魚介の支出金額では富山市、北九州市、横浜市などが大きく、地理的な傾向はみられません。ただし数量では青森市のほか、富山市、秋田市、新潟市、鳥取市など日本海側の自治体が大きくなっています。私たちの会社がある新潟市は支出金額で22位と中位にとどまっていますが、数量では4位に位置しています。

 

生鮮魚介の地域別


一方、生鮮肉の支出金額をみると、奈良市、和歌山市、京都市などの近畿地方の自治体が大きく、数量では岡山市、広島市、佐賀市、福岡市などの山陽地方や九州地方の自治体が大きくなっています。新潟市は支出金額で47位、数量で36位と低位にあります。順位だけで判断すると、先程、ご紹介した生鮮魚介の方で順位が高く、新潟市は「魚好き」な地域といえるかもしれません。

 

生鮮肉の地域別


なお、全ての自治体で生鮮肉の支出金額・数量が生鮮魚介を上回っていますが、どちらかといえば、生鮮肉への支出額・数量が生鮮魚介に比べて、より一層多い自治体は下のグラフのとおり日本の西側の自治体が多くなっています。反対に、他の自治体に比べて「魚好き」な自治体は日本の東側の自治体が多い印象です

 

生鮮魚介、生鮮肉に対する自治体の支出金額

生鮮魚介、生鮮肉に対する自治体の支出数量

 

感想

年代別の結果に一番、驚きました。全ての年代で「生鮮肉」の支出金額が「生鮮魚介」を上回っており、しかも、消費支出全体に占める「生鮮肉」に対する支出割合をみると、「70歳~」と「60~69歳」で最も高くなっていました。

年配層は「魚好き」と勝手に決めつけていましたが、認識を変えなければならないようです。