小規模事業者向けの専門家派遣事業を通じて感じたこと。それは…

 

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

新潟県内の商工会様などを介して、小規模事業者様の課題解決に向けたアドバイスをさせていただく、「専門家派遣」の業務依頼が年明け以降、相次ぎました。本日は、その取り組みを通じて、感じたことをご紹介したいと思います。

 

 企業 アドバイス

 

共通点は…

訪問させていただいた事業者様は業歴や業種、社員構成、抱えている課題などもバラバラでしたが、経営者の方々と比較的ゆっくりとお話することができた貴重な機会となりました。

こうした中、しっかりと経営されていた事業者の共通点をあげれば、当たり前ですが、コツコツと努力していらっしゃる点でした。それは料理面や接客面であれば、自分自身が大切にしていることをコツコツ継続して磨き上げ、一歩ずつ歩んでいる感じです。また、店舗に注目すれば、身の丈に合わせて少しずつメンテナンス・改装を継続的に進められていましたし、情報発信に目を移せすば、ウェブサイトやブログ、SNSを地道に根気強く更新されていました。

派手さはないですが、小規模事業者だからこそ、手の届く範囲をしっかりと地固めされているような印象でした。

その際、思い出したのが次の書籍の該当箇所です。

 

妹尾 武治氏著『脳は、なぜあなたをだますのか: 知覚心理学入門 』

心理学において、重要な概念に注意資源というものがある。

(中略)

何かを考えるにしても、脳が燃料を使う。なにかに集中し注意を向ける。つまり、なにかの課題を適切にこなそうと思ったら、注意の力が必要なのだ。

(中略)

コツコツに勝る近道はない、と耳にしたことがある。私も強くそう思う。自分の注意資源が一〇〇で、天才が二〇〇あったとして、毎日コツコツ訓練して一〇〇の資源が必要な課題を五〇から一〇になるまで落とせば、努力していない天才よりも、ずっと効果的に課題がこなせるのである。

もちろん、天才も努力する。だから、天才にはいつまでたっても追いつけないかもしれない。しかし、だからといって、自分が努力しない理由にはならないだろう。

(中略)

注意源は我々個々人が生まれながらに持っている。それを大幅に増やす勉強法などは、今のところない。しかし、人生はにおける課題に必要な資源の量は、勉強や訓練によって大幅に小さくすることができる。

この努力、コツコツした訓練で補える部分を、我々凡人は磨くべきである、ということに尽きる。

妹尾 武治 (2016年年)『脳は、なぜあなたをだますのか: 知覚心理学入門』ちくま新書

どうしても人は高い目標を一足飛びに達成できる方法を求めがちですが、その方法に出会うことは多くありません。もちろん、効果的な良い方法があるにもかかわらず、それに取り組まずに、無駄な方法に執着するのは良いことではありません。ただし、派手さがなくともコツコツと継続することでしか達成できない目標もあります。そのため、コツコツ努力する姿勢は忘れずにいたいものです。

 

まとめ

コツコツ努力することを阻害する要因の1つとして、自分自身の「飽き」があげられます。私も飽きっぽいので、飽きそうな時には、今回の経験や上記書籍の該当箇所を呼び起こしたいと思います。

なお、ご紹介した上記書籍には様々な実験結果をもとに、人の脳や心理の動きが解説されています。解説も面白いですが、先程、ご紹介したように本筋と少し離れた著者のコメントが結構楽しめる書籍となっていますので、興味のある方は手にとってみて下さい。