正社員の中途採用に関する経営者アンケート調査

 

新潟経済社会リサーチセンターの近です。

新潟県内の正社員の有効求人倍率は上昇基調が続いており、直近の17年度では、統計の公表開始以来の高水準となりました。また、県内の企業をおうかがいすると、人手不足に直面しているとの声が多数聞かれます。

そこで、県内における正社員の中途採用活動の現状と課題を把握するために、県内企業1,440社(有効回答768社)を対象としてアンケート調査を実施しました。

本日はその結果の一部をご紹介します。

なお、本調査は2018年10月1日の「第四北越フィナンシャルグループ」設立後、初の試みとして、当センターと株式会社 ホクギン経済研究所が共同で実施した特別調査「正社員の中途採用に関する経営者アンケート調査」の概要を掲載したものです。

 

新入社員 就職

 

正社員の中途採用活動の有無

過去3年間(2015年12月から現在までの間)で正社員の中途採用活動を実施したかどうかを尋ねたところ、「実施したことがあり、今後も実施したい」と回答した割合は83.9%となりました。

なお、「実施したことがあり、今後も実施したい」と「実施したことはないが、今後は実施したい」を合わせた『今後実施したい』の割合は88.5%となっています。

 

採用

 

正社員の採用状況

採用活動を実施した先に採用状況を尋ねてみると、「予定していた人数を下回った」と回答した割合が55.7%と最も高く、半数を超えました。一方、「予定どおりの人数だった」と回答した割合が42.3%、「予定の人数を上回った」の割合が2.0%となり、これらを合わせた『予定以上の人数だった』の割合は44.3%となりました。

規模別にみると、「予定していた人数を下回った」の割合が大企業で50.0%、中堅企業で72.9%、中小企業で54.5%となり、すべての規模において半数以上が予定の採用人数に達していませんでした。この結果から、水準に差はあるものの、企業の規模に関わらず採用活動は厳しいことがうかがえます。

 

採用

 

採用段階での課題

採用段階での課題を尋ねたところ(複数回答)、「応募が少ない」(74.2%)と回答した割合が7割を超えて最も高くなっており、いわゆる売り手市場のなか、応募者の確保が最大の課題であることがうかがえます。

以下「応募者が自社に適した人材かの見極めが難しい」(46.1%)、「応募者のスキルや能力が採用基準に達しない」(33.8%)などが上位項目となっています。

 

採用

 

ただし、「応募が少ない」と回答した先のなかには、「ワーク・ライフ・バランスへの取り組みを前面に出して募集したところ、女性の応募が多くなった」(サービス他)といった働きやすさをアピールする工夫や、「直接的な技術者でなくても、サポートが出来るレベルの技術者を採用し、将来的な生産性向上を目指している」(建設)といった人材育成も含めて中長期的な視点に立った採用をして人材を確保しているといった声が寄せられました。

 

まとめ

今回のアンケート調査の結果から、正社員の中途採用活動について『今後実施したい』と回答した割合は9割近くになっており、県内企業の中途採用への意欲は今後も続いていくとみられます。一方で、採用状況については、「予定していた人数を下回った」と回答した割合が半数を超えており、厳しい状況が示されています。

そのような状況のなかでは、企業自らがより能動的に採用活動に取り組むことが必要となってくるほか、採用した人材を定着させ、育てていくための教育・研修体制を充実させることも大切です。あわせて、人材の確保と同時並行して、業務プロセスの見直しやAI、IoT、RPA(ロボットによる業務自動化)などを活用した省力化・合理化投資なども検討する必要があると考えられます。

その一方で、「何より既存社員によい会社と思ってもらえるようにすることが第一」(運輸)といった声も寄せられており、応募者の確保だけでなく既存社員の定着といった観点からも、労働環境を整備して働きやすく、魅力ある職場づくりが求められることになりそうです。

 

=====

 

※本調査に関する詳しい内容については、当センターの機関誌「センター月報2019年2月号」をご覧ください。なお、アンケート調査結果の一部を紹介したため、図表2、図表5、図表6のみ掲載しました。

 

=====