あなたはどっち?プレゼン資料を事前に配布する人、しない人

 

年間30~40回ほど、プレゼンテーションの機会がある、新潟経済社会リサーチセンターの江口です。

皆さんはプレゼンテーションに臨む際、発表資料を聴講者に対し、事前に配布されていますか?それとも配布されていませんか?

私は申し訳程度の簡素な資料を配布する時が多いです。この配布方法に至った経緯を本日はお伝えしたいと思います。

パワーポイントの資料

 

配付のメリットとデメリット

「プレゼン資料を事前に配布するかどうか?」という問題は、どうでも良さそうな点でありながら、意外に重要な気もして、プレゼンテーションする度に、以前、私は悩んでいました

まず、配布のメリットとしては、

  •  聴講者はメモをとる必要が少なく、発表者の話に集中しやすい
  •  発表者の説明不足を聴講者が資料で補える
  •  プレゼンテーション終了後に、資料があると、聴講者は復習に活用できるほか、第三者への報告が楽になる

などがあげられます。

一方、配布のデメリットとしては、

  •  発表者が話す前に聴講者が発表内容をある程度、知ってしまうため、発表を聞く際の集中力が落ちる場合もある
  •  上記を避けるため、発表用資料と配布用資料を分けると、準備作業量が増える
  •  不必要な資料の場合、聴講者にとって持ち帰りが面倒となる

などがあげられます。

 

配付有無・タイミングの決めとなった書籍

上記のメリット・デメリットの中で、私自身は「発表者が話す前に聴講者が発表内容をある程度、知ってしまうため、発表を聞く際の集中力が落ちる場合もある」とのデリットがとても気になっていました。

実際、自分のプレゼンテーション力に自信を持てなかった時には、「よし、気合いを入れて発表しよう!」という段階で既に、聴講者から「君が話す内容は既にわかっているよ。他に何か付け足すことがあるの?」と言われているような気がして、とても嫌だったことを思い出します。

こうした中、マーケティングコンサルタント・藤村正宏先生の書籍を読んだことで、悩みが吹っ飛びました。それは次のような内容でした。

よくプレゼン前に、資料を配布する会社がありますよね。

このあいだ立ち会ったあるプレゼンも、パワーポイントのページをすべてコピーして配っていました

あ~あ~、やれやれ……。

これはやってはいけないことなんです。だって、そんなことしたら、配布した途端、みんなページをめくって、ざ~っと見る。プレゼン前に、

「ふ~ん、結論はこうね」

と、プレゼンの詳細を説明する前に決め込んでしまうんです。そんな不利な立場になったら、最初からハンディがあるようなものです。次にどんなページをくるのかがわかってしまうプレゼンなんて、聞いていても面白くない。

推理小説を読む前から、犯人とトリックがわかっているとどうですか?そんなのつまんないですよね。

プレゼン前にパワーポイントの資料をそのまま配布するということは、それと同じことなんです

藤村正宏(2008)『圧倒的!伝えチカラ』ローカス

 

この書籍を読んだ時、決めました。プレゼン資料は事前に配布しないと。「講演があんなにも上手い講師がそう言っているんだから…」と迷いがふっきれた覚えがあります。

また、最近、読んだマイクロソフト株式会社 エバンジェリスト 西脇資哲氏の書籍にも、このような文章がありました。

あなたのプレゼン中に、聞き手がよそ見をする最大の要因は何だと思いますか?

それは間違いなく「手元の資料」です。

私は原則として、スライド全体をプリントアウトしてお配りしません。配布するにしてもごく一部です。

(中略)

さぁこれから話そうというときに、相手が手元の資料をペラペラとめくることに夢中になって、こちらのセールストークに耳を傾けてくれなかった経験があるはずです。

聞き手に下を向かれてしまうと、視線誘導にもマイナスです。せっかく話し方やスライドの見せ方を工夫して準備してきたのに、それらの努力が無になりかねません。

私が講演する際には、プレゼン終了後にオンラインストレージのURLを伝えて、そこからPDFなどをダウンロードしてもらうようにしています。

マンツーマンでプレゼンをする場合は、紙の資料を相手に渡さず、こちらで1枚1枚めくりながら見せていくといったやり方をすることもあります。

西脇資哲(2015)『プレゼンは「目線」で決まる』ダイヤモンド社

 

現在

以上のような書籍の影響もあり、私はプレゼンテーションをする際には、原則、事前資料は配布しないことにしています。ただし、聴講者側から「事前資料を配布して下さい」と依頼される時があります。

その場合は、プレゼンテーションのポイントだけを表記した簡素な資料を事前配布しています。しかも、その資料とは重要な単語を穴埋めしてもらう形式のものです。

稀に「この資料だけですか?」と尋ねられる時もあります。それでも、当日のプレゼンテーションそのものの評価を最優先に考えて、この形式を続けています。

お陰さまで今のところは、ひじょうに良い感触です。そのため、しばらくは、この形式でプレゼンテーションを続けていきたいと思っています。