心理学をヒントにした店頭陳列の仕方

 

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

私どもの機関誌「センター月報」では、毎月、ビシネス心理学講師 酒井とし夫氏より、商売に役立つ心理学的なヒントやアイデアなどをご紹介していただいています。今月の「センター月報11月号」では、店舗陳列の3つのポイントについてご説明していただきました。本日はその原稿の一部をご紹介いたします。

 

酒井とし夫氏 商売繁盛心理学・8

 

店頭陳列の3つのポイント

 

私は4年前から福島県内のショッピングセンター様でテナント研修を担当しています。しかし、4年も担当するとさすがに私も研修のネタがなくなります。そのため、今は知人の講師にも手伝ってもらい研修を行っていますが、先日、店頭陳列のプロであるS先生に研修を担当していただきました。

そのS先生から教えていただいた売上を上げるための店頭陳列のポイントは以下の3つ。

(1)入り口をじょうご型にすると抵抗感が減る

じょうごとは口径の大きい口と小さい穴を持つ円錐状の器具ですね。ちょうどお客様をこの口径の大きな口から店内あるいは売場に誘導するように什器を配置するのが基本ということ。

(中略)

入り口から店内に向かってじょうごが入るように配置をします。このように什器の配置を少し変えるだけで、お客様の入店の心理的な抵抗感がぐっと下がり、来店者数が増えるのだそうです。

(2)お店の入り口の什器を低くすると抵抗感が減る

人はなかが見えない所には入りにくい心理があります。奥の見えない森のなかに入っていく時や、お化け屋敷の入り口から館のなかに入るのに勇気がいるのと同じ心理です。

そのため、店舗や売場においても入り口付近に立った時になかがどうなっているのか、何が売られているのか、どこに人がいるのかが見えないとお客様は入りづらいのだそうです。そのため、入り口付近の店頭什器は背の低いものを使用し、奥に行くに従って順次背の高いものにしていくのが基本になります。これは複合施設内のテナント店舗に限らず路面店でも同じです。

さらに、正面奥の壁の上部に照明を当てておくと、奥まで明るさが見えるのでさらに入りやすくなります。

(3)入隅・輝き面をキレイにすると印象が良くなる

入隅(いりすみ)とは2つの壁が内向きに入りあってできる角の部分のこと(例えば、壁面と床面が交差している角の部分)。

輝き面とはステンレスや鏡、ガラスといったピカピカする面のこと。人の目はこの入隅と輝き面に行くのだそうです。

だから、店内や陳列棚の角のところにホコリがたまっていたり、ステンレス面やガラス窓が汚れていたりするとお客様はすぐに気がつきます。あなたもお店の床の角にゴミがたまっていたり、ソファーの角にホコリが溜まっていたり、鏡や窓が汚れている会社やお店に入り、不快な印象を持った経験がありませんか?

逆にいうと、清掃をする時には入隅・輝き面をキレイにすることを心掛けるとお客様のお店に対する印象はとても良くなるということです(全国展開をしている有名カレーショップチェーン店内のお客様から見える位置にある厨房のステンレス面はいつもピカピカに磨かれていますよね)。

お店のエントランスや売場の入り口部分の什器や棚はじょうご型に配置し、手前の什器は低くしてなかをよく見えるようにしておくと、入店の抵抗感が下がり、お客様は足を進めやすくなります。さらに入隅・輝き面をキレイにしておくと印象もぐっと良くなる、ということです。

 

酒井とし夫(2016)「街でみつけた商売繁盛心理学 今すぐできる選りすぐりのアイデア 第8回」『センター月報』2016年11月号

 

感想

確かに入りやすいお店と入りにくいお店があります。色々な要因があるのでしょうが、什器の配置だけでも随分、印象が変わるようですね。今後は、こうした視点で様々なお店を見て回りたいと思います。