「つまりDMOとは・・・」雪国観光圏でおこなわれた意見交換のご紹介

 

こんにちは。主に観光地の活性化を担当している、新潟経済社会リサーチセンターの江口です。

先日、魚沼地域の活性化を目指す一般社団法人雪国観光圏が開催した「第1回DMO研究検討会」の様子をレポートいたしました。今日は、その続きを報告いたします。

 

雪国観光圏で紹介しているオプショナルツアー

▲雪国観光圏で紹介しているオプショナルツアー

 

日本版DMOに関する質疑応答・情報交換

前回、お伝えしたとおり「第1回DMO研究検討会」では、DMOの基礎知識を共有するために、外部講師を招いての講義からスタートしました。

その後、研究検討会の委員12名と講師を交えての質疑応答・情報交換へと進む流れです。委員には観光関係者だけではなく、異業種や経済団体、学識経験者の方々にも加わっていただいたため、様々な意見が交わされました。

とても有意義な内容だったため、その概要を以下にご紹介します(講師ではなく、あくまでも私なりの解釈です)。

 

◆DMOとは、地域を1つの会社と見立てれば分かりやすいのではないか。観光地が持続的に利益を生み出していくためには、地域全体のマーケティングや経営が不可欠なのだと思う。

◆地域内にあるモノ・サービスや資金等を循環させ、経済波及効果を高めるためのキーワードの1つがDMOなのだろう。

◆宿泊施設やスキー場などの観光業者だけではなく、それ以外の様々な事業者を巻き込み、地域内の経済循環を進めていきたい。

◆観光を取り巻く環境が変わる中で、DMOとは従来の観光協会が担っていた機能に、マーケティングやブランディングといった新たな機能が加わったようなイメージである。ただし、従来の互助会的な色彩が強い観光協会のままでは、新しい取り組み、ひいては地方創生につながりにくいと思う。

◆管轄するエリアとしては、最低でも市町村単位の広さをカバーしなくてはならないだろう。もちろん、複数の市町村にまたがった広さをカバーしても良い。

◆市町村単位で取り組むことと、観光圏として取り組むことを分け、それぞれの役割を分担していく必要もある。

◆市町村単位のDMOばかりになると、例えば雪国観光圏で取り組んでいる「A級グルメ」のような広域連携の取り組みは誰が担うのか?といった問題も生まれる。したがって、広域連携の視点も忘れてはならない。

◆厳密にいえば、マーケティングとは売るための仕組みであり、ブランディングとは売れ続けるための仕組み、いわばファンづくりである。両者をあえて分けた上でどちらを優先していくのか?も議論する必要がある。

◆観光地のブランド力を高めるには、「何のために、どこを目指すのか?」といった目的を地域内の事業者等ですり合わせていくことが必要である。

◆特に広域になればなるほど、様々な参画者が増えるため、目的意識を共有することが重要となる一方、その共有がより難しくなるので注意が必要である。

◆モノやサービス、観光スポット、宿泊施設といった個々のパーツを中心に売っていくのか?、それとも地域全体を包括したパッケージで売っていくのか?といった議論をした方が良い。また、「短期的にどう売ってくのか?」を議論していくのか、それとも「将来を見据えて売っていくのか?」を話し合っていくのか?といった点も明確にした方が良い。

◆観光地のブランディングを進めるには、そこにしかない体験、独自性、尖ったところを追求しなければならない。ともすると、温泉・自然などを何となくアピールし、どこの観光地も同じようなイメージになってしまいがちなので、注意が必要だ。

◆安定的な財源の仕組みも考えながら取り組んでいかないと、地域活性化にはつながらない。

◆雪国観光圏としてこれまでに取り組んできたことを圏域内の方々にアピールすることも大切である。

◆新潟県人は否定から入ることが多いので、もっと自信を持って進めていこう!

 

 

雪国観光圏・第1回DMO研究検討会・意見交換

 

最後に

以上が私の心に強く残った点です。講義と意見交換を通して、日本版DMOへの理解が一気に進んだ、とても良い1日となりました。

次回の検討会では、今後目指すべき観光振興のあり方を議論するとともに、現状とのギャップ、そのギャップを埋めるためには、何が必要なのか?について意見交換する予定です。

研究検討会に参加された外部講師、委員、聴講者の皆様、本当にお疲れ様でした。次回も、よろしくお願い申し上げます。