曲がったキュウリは美味しいか?地産地消を進めるためのポイント!

 

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

暑い日が多くなってきましたが、現在、新潟市内を中心に春キュウリの出荷が最盛期を迎えているそうです。今回は毎年、出荷の最盛期を迎えるこの時期に思い出す「キュウリ」に関する出来事について、ご紹介いたします。

 

きゅうり

 

地産地消を進める会議で…

ご紹介するのは以前、ある観光地でおこなわれた地産地消を進める会議での出来事です。その会議の場で某飲食店の調理師の方が話された内容が今でも忘れられず、特にこの時期に思い返すことが多いのです。

それは、地産地消を進めるために必要なこととして提案された意見です。具体的には、次のような内容です。


「私の希望としては、美味しくて、かつ見た目がきれいで扱いやすい野菜を仕入れたい。例えば、曲がったキュウリには美味しいものがあるのかもしれないが、お客様により良い料理を提供するには、やはり曲がっていない方が助かる」

「美味しく、見た目に良い野菜を栽培しようとして、結果的に曲がってしまったキュウリが交じるのはしょうがない。それを無駄なく有効利用する考え方には賛成だ。ただし、地産地消を進めるためには曲がったキュウリでも大丈夫という仕入基準にしてしまうと、『ちょっと曲がってOK』『ちょっと美味しくなくてもOK』といった具合に、そこからキュウリをはじめとした野菜の品質が落ちてしまうのが怖い」

「つまり、結果ではなく、プロセスや目標が重要である。あくまでも、曲がっていないキュウリ=美味しく、かつ見た目がきれいで扱いやすい野菜を目指して栽培してほしい」


といった内容の発言でした。発言者の真意とは異なるかもしれませんが、あくまでも私の受け取った内容です。

地産地消を単なる売り手と買い手のマッチングとして捉えるだけでなく、双方の付加価値向上のプロセスと考えなければ、強固な取り引きにはならないと改めて勉強になった出来事でした。

 

川島 良彰氏著『コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味しいのか』感想

実は、先日読んだ書籍――川島 良彰氏著『コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか 』(ポプラ新書)――に同じような意味に感じられる記載がありましたので、ご紹介いたします。

その箇所は以下の点です。

 

おいしくないコーヒーを、「貧困地区の可哀想な人たちが作ったから買ってあげましょう」という、上から目線の押し付けのコーヒーもいかがなものかと思います。

やはり、生産国と消費者は対等でなければいけません。おいしいコーヒーを作る生産者がいて、それを正しく評価し購入する消費者がいる市場を作ることが、サスティナブルなコーヒーだからです。

 

川島 良彰(2015年)『コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか 』(ポプラ新書)

 

単に買い手が仕入れれば問題が解決するという訳ではない、という点では同じような意味合いであると感じた箇所です。サスティナブル=持続可能な取り引きを作るには、やはり売り手・買い手の双方がその品質や仕入条件に十分に満足することが不可欠ということなのでしょう。

 

まとめ

本日、ご紹介した出来事や書籍が意味することころは、地産地消の推進や農産物の仕入れだけではなく、全てのビジネスにも当てはまると思います。どのような取り引きにおいても「このくらいで良いだろう…」と甘えることなく、品質の維持・向上を目標に掲げながら仕事に取り組みたいと気持ちを新たにしたところです。