コミュニティ・ビジネスで地域活性化 その3

 

新潟経済社会リサーチセンターの尾島です。

本日は、コミュニティ・ビジネスの新潟県内での取組事例を紹介するシリーズの3回目(最終回)となります。前回の投稿は「コミュニティ・ビジネスで地域活性化 その1」と「コミュニティ・ビジネスで地域活性化 その2」をご覧下さい。

 

コミュニティビジネス

 

コミュニティビジネスの取組事例 事例2

高根フロンティアクラブ(村上市高根地区)

当会の会長は鈴木信之氏であり、設立は1996(平成8)年。会員は52名となっています。

 

~設立のきっかけ~

高根地区は、村上市との合併前は朝日村高根地域で農業、林業を主な産業とする600軒近くある山間の集落でした。現在は、160軒にまで減少していますが、村上中心地まで30分の通勤圏内にあることから、近年は村上市内での就業者が増えています。

当時、消防団を卒業した30代、40代が中心となって地域の今後について考えることを目的として高根フロンティアクラブが設立されました。その後、都岐沙羅パートナーズセンターの指導のもと、ワークショップにより検討を重ねて、天蓋牧場の活用、2000年3月に閉鎖となる学校(小・中併設校)の再生と活用、特産品の開発や森づくりなどを進めてきました。

 

コミュニティビジネス

 

~地域再生に向けた活動の取り組み~

地域住民が中心となって取り組んだ天蓋牧場の跡地活用では、交流の場を創出するために牧場一面にひまわりを栽培し、初夏には来訪者に向けたイベントが開催されました。さらに、山麓全体を観光農園と見立てて四季折々の花の栽培を進めたほか、山菜が豊富なことから、観光わらび園を開業するなど、アイデアをひとつずつ実現していきました。

次に小・中学校の統廃合により廃校となった校舎の再生計画に取り組むこととなりました。03年には里創プランの支援と集落からの出資により校舎の改修を実施して、地域食堂IRORIを同年にオープンしました。

 

~今後の展望~

県外大学生のNPOとの交流を実施して棚田の保全に取り組んできました。こうした事業を通じて環境CSRに取り組む大手電機会社の研修会場としての受け入れを行ない、職員による「どんぐりの森」の活動拠点としても活用されています。また14年に実施したワークショップでは、地元蔵元の協力を得て特産品としてのどぶろくを開発し販売を開始しました。

しかし、これまで活動の中心となったメンバーも20年が経過し、後継者の確保が課題となっています。また、当初の活動の柱であった事業の見直しも求められています。地域コミュニティの再構築、介護・予防のための高齢者向けシェアハウスの運営による健康寿命の延伸、移住者を受け入れるため空き家を利用したゲストハウスの設置など、その活動内容はより多様性と広がりを増しつつあります。

 

まとめ

3回にわたってコミュニティ・ビジネスを紹介するシリーズは今回で終了です。

今回の取材を通して、地域の課題は時代とともに変化しており、その変化に対応した解決方法が求められているとともに、行政だけに任せるのではなく、行政と連携しながら、地域住民が主体的に関わっていくことがより一層大切になっていると実感しました。

 

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『センター月報』2018年6月号の「地方創生に向けた、地域の取り組み」を加除修正いたしました。