ココアの消費動向は?地域別ランキング1位は那覇市…

 

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

さて先日「チョコレートの消費動向は?地域別では札幌市が1位…」という投稿をしました。その際、少しだけ触れたのですが、チョコレートとココアは同じ原料、そして途中まで同じ製法ですので、今日はココアの消費動向についてご紹介いたします。

 

ココア 消費

 

ココアの製法と歴史

まずは、「ココア」の製法と歴史を確認しておきましょう¹。

東京ガス「ウチコト」によると、以下のように製法が説明されています。

 

チョコレートとココアは、どちらも原料は同じ「カカオ豆」。さらに途中までは同じ工程で作られるんです。

(中略)

カカオ豆を醗酵させていくと、チョコレートらしい香りや成分になっていきます。

カカオ豆を砕いて皮などを取り除き

(中略)

さらに炒ってカカオ豆独特の味を引き出し、すりつぶしていったものが「カカオマス」。

ここまでは、「チョコレート」も「ココア」も製造過程が一緒です。

(中略)

〇「カカオマス」から、「ココアバター」を取り出した残りが「ココア」に。
取り出した「ココアバター」はチョコレートに使います。

〇「カカオマス」に「ココアバター」などを更に加えたものが、「チョコレート」となります。

 

東京ガス 「ウチコト」のWebsite「【原料は一緒!?】意外に知らない! チョコレートとココアの違いとは?」https://tg-uchi.jp/topics/4302  (2019年2月12日アクセス)

また、日本チョコレート工業協同組合のWebsiteによると、以下のように歴史がまとめられています。

 

チョコレートの主原料のカカオのルーツは、“メソアメリカ”と呼ばれた中南米の地域一帯。紀元前後、マヤ文明を代表とする幾つかの文明が栄えましたが、カカオは、その文明に根付いていました。最初は、中に詰まったカカオ豆を生のまま食べていましたが、その後ローストしたカカオ豆をすり潰して飲用するようになりました。これが“飲むチョコレート・カカワトル”の始まりです。とうもろこしの粉やスパイスを加え泡立てたスパイシーな飲み物でした。

(中略)

16世紀にヨーロッパは大航海時代を迎えます。スペイン人のエルナン・コルテスがメキシコを征服した際、アステカでカカワトルに出会います。コルテスはこの飲み物の薬用効果を知り、国へ持ち帰りカルロス一世に献上します。その後ヨーロッパ各地へ伝わっていきました。最初はアステカと同様の飲み方がされていましたが、次第にお湯で溶かし砂糖を加える飲み物へ変化して行きます。この頃は非常に高価であり、貴族の間で愛飲されていました。

(中略)

1828年、オランダ人のバンホーテンにより、油分の多いカカオから油分を絞る技術が発明され、『ココア』が誕生します。これにより“チョコレート”は非常に飲みやすく改良されます。

 

日本チョコレート工業協同組合のWebsite「チョコレートの歴史」http://www.chocolate.or.jp/chocolate/history.html (2019年2月4日アクセス)

紀元前後からココアは飲まれていた可能性があるようですが、現在、楽しまれているような味に近くなったのは、1800年代に入ってからのようです。

 

消費動向

それでは、ココアの消費動向を確認してみましょう。

ココアの消費動向については、総務省『家計調査』を使って確認していきます。なお、「家計調査」の見方については、こちらの投稿をご確認下さい。

 

年間支出金額の推移

ココアに対する1世帯当たりの年間支出金額は、400円前後でほぼ横ばいで推移しています。ただし、近年では2014年を底に3年連続で前年を上回っています。

なお、家計調査では「ココア・ココア飲料」というカテゴリとなっており、「か粒,粉末,固体,液体のもの。濃縮液も含む」とされています。

 

ココアの年間消費額

 

月別の支出金額

次いで、月別の支出金額を確認してみましょう。

下のグラフのとおり、夏に支出金額が減り、秋頃から増えだします。そして当然ながら、12~2月までの冬に支出金額が特に大きくなっています。最も支出金額の多い12月は支出金額の一番低い7月の約4.2倍の金額です。

 

ココアの月別消費額

 

年代別の支出金額

続いて、2017年の支出金額を世帯主の年齢階級別にみると、「~29歳」で支出が多くなっています。また、「40~49歳」でも支出が多くなっています。大人が自分でココアを飲むだけではなく、子供のために購入していることも影響しているのかもしれません。

 

ココアの年代別消費額

 

地域別の消費ランキング

参考までに1世帯あたりの年間支出金額(2015年~2017年平均)を都道府県庁所在市(政令指定都市を含む)別²にまとめたものが下の表です。

 

ココアの地域別都道府県自治体別消費額

 

那覇市の支出金額が1位となっています。1年を通じて気温があたたかい地域であるためびっくりしました。沖縄県「~家計調査から見える 那覇市の食卓~ 《第2弾》」をみても、2013年~15年の品目別ランキングでココアの支出額で那覇市が全国1位という結果について

 

意外な飲み物が、ココア飲料です。

(中略)

ココアに含まれるカカオ・ポリフェノールに

は、疲労回復に効果があるとのことなので、暑い夏には最適かもしれませんね。

 

沖縄県「~家計調査から見える 那覇市の食卓~ 《第2弾》」
統計トピックス 平成28年8月号(No.454)https://www.pref.okinawa.lg.jp/toukeika/so/topics/topics454.pdf

(2019年2月12日アクセス)

 

と記載されていますので、思いがけない結果とうけとめられているようです。沖縄県には揚げ菓子のサーターアンダーギーなどもあるので、もしかすると、甘いものが好まれる地域なのかもしれません。

なお、私たちの会社がある新潟市は14位となっています。以前にお伝えしたとおり、製法が途中まで一緒であるチョコレートへの支出額は30位、チョコレート菓子への支出額は40位でしたので、それに比べればココアの順位は上位となっています。カカオ豆を使用した商品でも、食べ物と飲み物とで異なる結果となりました。

 

他の飲料との比較

最後に、ココアの100世帯当たりの購入頻度と1世帯当たりの年間支出金額を参考までに他の飲料と比べてみました。

下の図のとおり、購入頻度、年間支出金額とも他の飲料に比べて低くなっています。他の飲料と異なり、ココアは粉末と液体を合わせたカテゴリですが、それでも低くなっています。購入頻度、年間支出金額とも、もう少し多い金額かと思っていたので、意外に感じました。

 

緑茶・コーヒー・紅茶・ココアの購入頻度と支出金額

 

他の飲料に比べて甘いこともあり一度に何杯も飲むような飲料ではないのかもしれませんし、夏など暑い時期には手に取りにくくなるのも原因の一つかもしれません。

なお、各カテゴリは以下のように家計調査では分類されています。

  • ココアは「ココア・ココア飲料」を指して、か粒・粉末・固体・液体のもので、濃縮液を含んでいます。
  • 「緑茶」と「紅茶」は茶葉のみであり、「紅茶」には中国茶(鉄観(冠)音 ウーロン茶  プーアール茶など)が含まれています。
  • 「他の茶葉」は、玄米茶、しいたけ茶、麦茶、 はとむぎ茶、杜仲茶、どくだみ茶が含まれています。
  • 「茶飲料」は液体のみであり、緑茶、ウーロン茶、紅茶、麦茶を含んでいます。
  • 「コーヒー」は粒、か粒、粉末、固体のものであり、「コーヒー飲料」は液体のみであり、濃縮液も含んでいます。
  • 飲食店等での「喫茶代」は含まれていません。

 

感想

那覇市が地域別で1位というのには、びっくりしました。いつも感じることですが、思い込みではなく、データで確認することは時には重要なようです。

 

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¹今回の投稿では、東京ガス 「ウチコト」のWebsite
「【原料は一緒!?】意外に知らない! チョコレートとココアの違いとは?」
<https://tg-uchi.jp/topics/4302>、
日本チョコレート工業協同組合のWebsite「チョコレートの歴史」
<http://www.chocolate.or.jp/chocolate/history.html>
を使用させていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。

²都道府県庁所在市(政令指定都市含む)の結果はサンプル数が少ないため、参考として記載しました。必ずしも実態を反映しているとは限りませんので、ご注意下さい。