チョコレートの消費動向は?地域別ランキングでは札幌市が1位…

 

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

2月14日はバレンタインデーです。そこで、本日はチョコレートの生産動向と消費動向について調べてみましたので、その結果をご紹介いたします。

 

チョコレートの消費量

 

チョコレートの製法と歴史

まずは、「チョコレート」の製法と歴史を確認しておきましょう。

フリー百科事典「ウィキペディア」によると、以下のように製法が簡潔に説明されています。

 

カカオの種子を発酵・焙煎したカカオマスを主原料とし、これに砂糖、ココアバター、粉乳などを混ぜて練り固めた食品である。

 

「チョコレート」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。
2018年12月13日 (木) 03:40  UTC、URL:http://ja.wikipedia.org/

 

また、日本チョコレート工業協同組合によると、以下のように歴史がまとめられています。

 

チョコレートの主原料のカカオのルーツは、“メソアメリカ”と呼ばれた中南米の地域一帯。紀元前後、マヤ文明を代表とする幾つかの文明が栄えましたが、カカオは、その文明に根付いていました。最初は、中に詰まったカカオ豆を生のまま食べていましたが、その後ローストしたカカオ豆をすり潰して飲用するようになりました。これが“飲むチョコレート・カカワトル”の始まりです。

(中略)

1828年、オランダ人のバンホーテンにより、油分の多いカカオから油分を絞る技術が発明され、『ココア』が誕生します。これにより“チョコレート”は非常に飲みやすく改良されます。また、1848年にイギリスの会社が、カカオのペーストに砂糖を加え固めたたものを“食べるチョコレート”として発売します。しかし、苦味が強いものでした。

1876年、スイス人のダニエル・ピーターが、カカオペーストと砂糖だけだったものにミルクとココアバターを加えることに成功し、『ミルクチョコレート』が誕生します。

その後、チョコレートを製造する機械も発達し、現在のような滑らかなチョコレートへ変化していきます。

(中略)

日本にチョコレートが伝わったのは、江戸時代と言われています。明治時代になり、チョコレートは輸入されるようになります。この頃は、贅沢品であり庶民には手の届かないものでした。大正時代になり森永製菓や明治製菓が、カカオ豆からチョコレートの一貫製造を開始します。

 

日本チョコレート工業協同組合のWebsite「チョコレートの歴史」http://www.chocolate.or.jp/chocolate/history.html (2019年2月4日アクセス)

 

「食べるチョコレート」はもっと古くから存在していたものと勝手に想像していたので、1800年代に誕生したというのは意外でした。

 

生産動向

それでは、チョコレートの生産動向を確認してみましょう。

全日本菓子協会の「菓子生産数量・生産金額及び小売金額 推定」をみると、日本におけるチョコレートの生産は概ね横ばいで推移していましたが、近年、増加傾向に転じています¹。背景には、「チョコレートの健康効果の浸透が進み、(中略)高カカオチョコレートが好調」とコメントされています。

人口が減少する時代にもかかわらず、チョコレートは比較的、順調な生産動向となっているようです。

 

チョコレートの生産

 

消費動向

これに対して、需要側の動向も確認してみましょう。

チョコレートの消費動向については、総務省『家計調査』を使って確認していきます。なお、「家計調査」の見方については、こちらの投稿をご確認下さい。

 

年間支出金額の推移

チョコレートに対する1世帯当たりの年間支出金額は近年、増加傾向で推移しています。特に2012年頃から支出金額が大きく伸びており、先程の生産動向と概ね、符合しています。

なお、家計調査では原則、チョコレート生地の重量が60%以上のものをチョコレートとし、原則、チョコレート生地の重量が40%以上60%未満のものなどをチョコレート菓子としていますが、チョコレート菓子の生産は横ばい圏内で推移しています。

 

チョコレートの年間の品目別支出金額

 

月別の支出金額

次いで、月別の支出金額を確認してみましょう。

下のグラフのとおり、夏に支出金額が減り、冬に支出金額が増えています。特にバレンタインデーのある2月の支出金額は最も支出金額の低い7月の約5.8倍の金額です。一方、夏に消費が落ち込む背景には、高温で溶けやすいことや、アイスクリームなど冷菓との競合もあり、やむを得ないのかもしれません。

なお、チョコレート菓子の支出金額も夏に減り、冬に増える傾向にあります。

 

チョコレートの年間の月別支出金額

 

年代別の支出金額

続いて、2017年の支出金額を世帯主の年齢階級別にみると、チョコレート、チョコレート菓子とも、~29歳、30~39歳、40~49歳で支出が多くなる傾向にあります。大人が自分でチョコレートを食べるだけではなく、子供のために購入していることも影響しているのでしょう。

 

チョコレートの年代別消費支出額

 

地域別の消費ランキング

参考までに1世帯あたりの年間支出金額(2015年~2017年平均)を都道府県庁所在市(政令指定都市を含む)別¹にまとめたものが下の表です。

チョコレート、チョコレート菓子とも札幌市が1位となっています。北海道には著名なチョコレートもありますし、もしかしたら気候の面で夏の需要の落ち込みが少ないのかもしれません。

なお、私たちが住む新潟市はチョコレートで30位、チョコレート菓子で40位と下位にとどまっています。そもそも新潟市は菓子類全体に対する支出金額そのものが低い傾向にあります。

 

チョコレートの消費・地域別・都道府県別

 

他の菓子との比較

最後に、チョコレートの100世帯当たりの購入頻度と1世帯当たりの年間支出金額を参考までに他の主要な菓子と比べてみました。

購入頻度をみると、チョコレートはアイスクリーム・シャーベット、スナック菓子、せんべいよりも低くなっています。夏の需要の落ち込みが響いているのかもしれません。

一方、年間支出金額はアイスクリーム・シャーベットに及ばないものの、スナック菓子、せんべいよりも多い金額規模となり、人気の高さがうかがわれます。

 

菓子の購入頻度

 

感想

チョコレートの人気ぶりには目を見張るものがあります。単に食べて美味しいというだけではなく、健康志向への対応・アピールなども関係しているようでした。定番商品であっても、時代の変化に上手く適応すれば人気を維持・拡大できる良い事例だと感じました。

 

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¹ 輸入されるチョコレートもあり、その量は日本チョコレート・ココア協会によると、財務省「日本貿易統計」をもとに2万7,475トンとされていますが(2017年)、今回の投稿では取り扱わないこととします。なお、チョコレートの生産数量・生産金額には、チョコレート製品(Ⅰ) (チョコレート生地100%、板チョコ、粒チョコ等)、チョコレート製品(Ⅱ) (同 60~100%未満、ナッツチョコ等)、チョコレート菓子 (同 20~60%未満、被覆チョコ等)が含まれています。