知って得するとってもカンタンな「ブランディングのコツ」

 

こんにちは。新潟経済社会リサーチセンターの江口です。

先日、お伝えした観光振興の会議では「今後の観光地はセールスやプロモーションだけではなく、マーケティングやブランディングにも力をいれねばならない」といった点が主要テーマとなりました。このように、観光振興や地域づくり分野でも「ブランディング」という言葉が普通に話される時代となっています。

今回の私どもの機関誌「センター月報11月号」では、観光地をはじめとした地域や企業、そして個人がブランディングをすすめる際のヒントをご紹介しています。執筆は毎月、連載をお願いしているビシネス心理学講師 酒井とし夫です。

 

酒井とし夫の選りすぐりのアイデア・56

 

酒井とし夫氏と高野誠鮮氏の対談から

今回、酒井先生は高野誠鮮氏との対談をもとに執筆されています。高野氏はTBS「日曜劇場『ナポレオンの村』」の原作である『ローマ法王に米を食べさせた男』の著者です。

対談の中で、酒井先生はブランディングのコツを高野氏に尋ねていきます。

 

以下、そのときのことを高野さんと私の会話形式で 記します。

私:「高野さんは元々TV局で番組制作のライターの経 験もおありですが、話題作りやブランディングの コツはどこにあるのでしょうか?」

高:「高さを引き上げることを考えます。高さを高くす ると自然にその下の裾野は広がります」(と、言いながら手を高く掲げて三角形を描く高野さん)

私:「高さを引き上げるというのは具体的にどういう ことでしょうか?」

高:「(中略)一番上に位置する人に使ってもらうと裾野が広がるということです。だから神子原米をPRするときも『誰が食べてくれたら一番高さを引き上 げることができるか』を考えて、(中略)アプローチしました」(※神子原米(みこはらまい)=ローマ法王に献 上した日本で唯一のお米)

私:「人間心理ですね。PRで意識していることはありますか?」

高:「遠くに情報を出すことです。日本人というのは 不思議な民族で近くにいる人の評価は低いのです。だから、情報は遠くに出します。石川県羽咋市の情報を北海道や沖縄、海外に発信する。そして遠く離れたところで『羽咋市ってすごいぞ』と 話題になってくると、地元の人も『この街はそんなにすごいのか!』と思うようになります」

私:「 販売に関してはどんなことを意識されていますか?」

高:「こちらから『買ってください』とは絶対に言わないこと。向こうから『お願いします』と頭を下 げてもらうにはどうしたらいいかを徹底的に考え ます」

私:「 情報はどうやって集めているのですか?」

高:「情報の入手とその組み立て方がとても大事なの だけれど、情報はおおもとにあたること。たとえば 『本にはこう書いてあった』という情報の集め方ではなく、その理論を唱えているおおもとの学者や研究 者に直接会って、一次情報を取ることが大事です」

酒井とし夫(2015)「街でみつけた商売繁盛のヒント 今すぐできる選りすぐりのアイデア 第56回」『センター月報』2015年11月号

 

 

読み終えて

対談の中では特に「遠くに情報を出すことです」という点に強く共感しました。実際、事業を営む経営者がいくら周囲に説明しても地域の理解が得られない取り組みが他県で表彰されたり、評価されたりすると、地域の理解が急に進むことがよくあります。

したがって、地域活性化を進める際には、地域内部への粘り強い説明と同時に、全国的な表彰制度の参加やマスコミへのプレスリリースなどを最初から意識して進めた方が良いと改めて感じました。