BGMを活用したマーケティング

 

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

私どもの機関誌「センター月報」では、毎月、ビシネス心理学講師 酒井とし夫氏より、商売に役立つ心理学的なヒントやアイデアなどをご紹介いただいております。

今月の「センター月報4月号」では、店内のBGMを活用した客単価・来店頻度向上策について、ご説明いただきました。本日はその原稿の一部をご紹介いたします。

 

新潟 マーケティング

 

商売で一番難しいこと

 

「教室のBGM」

30代の頃、私はパソコン教室を経営していました。

その時に気が付いたのですが、あるものが無いと教室に居る生徒の声が小さくなり、あるものが有ると生徒の声が大きくなり、しかも質問が増えることが分かりました。そのあるものとは何か?

…それはBGMです。

当時、私が授業を担当する時にはいつも教室内ではFMラジオを小さな音量で流していました。ある時、アルバイトのインストラクターが授業の途中で教室に入ってきて何の気なしにそのラジオのスイッチを切りました。私はそのまま授業を行ったのですがなぜかいつもより教室の活気が無いように感じました。そして、生徒からの質問があまりありませんでした。その時は「今日は何か変だな?」と思っていただけでした

が、その後も何度かラジオのスイッチを消した時にはやはり教室が静かになることに気づきました。

人は静まり返ったなかでは、声を出しにくくなるのです。あなたも、しーんと静まり返った緊張感が漂う会議室やレストランにいて、なんだか声を出しにくい雰囲気を経験したことがあるはずです。その気持ちです。

私はその時の経験があるので今では講演に行くときには必ず携帯型デジタル音楽プレイヤーを持参します。そして、開演前からずっと会場でBGMを流しています。やはりBGMが流れている時とそうでない時では会場内の雰囲気が変わります。

BGMが無いと会場内は比較的静かです。大きな会場では知らない人同士が隣に座ることも多いので会話もあまりありません。しかし、そんな会場でもBGMを流していると不思議と隣の人同士で話をする人があらわれて場の空気が徐々に和み始めます。

さらに、開演30分前、20分前、10分前、5分前になると私は徐々にBGMのボリュームを少しずつ大きくします。すると不思議なことにその音量に比例して会場内での話がどんどん増えてきて、しかもその話し声が大きくなるのです。

あなたもアーチストのライブ会場で開演直前になると館内で流れていたBGM音量が徐々に大きくなり、自分の気持ちがどんどん高揚していくことを経験したことがあるかもしれません。

このようにBGMというのは人の感情や行動に少なからず影響を与えているのです。ということは店内や社内でもBGMの影響が出るのではないでしょうか?

(中略)

また、レストランでもスローテンポの音楽をかけるとお客様はゆっくり食事をするようになり、速いテンポの曲をかけると急いで食事をするようになったという実験結果もあります。BGMによって滞在時間に差が出るので購買金額にも差が出るはずです。また回転率も変わってくる可能性が大いにあります。

もちろん、ターゲット層や提供する商品内容、お店のイメージによってもお客様の購買行動は変わりますが、人はBGMからも無意識に強い影響を受けます。

BGMを変えることによってどんな影響が出るかをテストするにはたいしたコストも手間もかかりませんのであなたも会社やお店で実験してみる価値はあるはずです。

もしかしたらBGMを変えることによって仕事の作業効率がアップし、客単価も増えて、来店頻度も上がるかもしれません。

 

酒井とし夫(2018)「街でみつけた商売繁盛心理学 今すぐできる選りすぐりのアイデア 第25回」『センター月報』2018年4月号

 

 

感想

確かに、BGM一つで、その空間の雰囲気が変わる時があります。今度、自分が講師をする際にも、BGMを流して、雰囲気がどう変わるのかを確認してみたいと思いました。