新潟県の農産物の輸出拡大に向けて

こんにちは。新潟経済社会リサーチセンターの神田です。先月2日、農林水産省は2015年「農林水産物・食品の輸出実績」を公表しました。

それによると、農林水産物・食品の輸出額は前年比21.8%増の7,452億円となり、3年連続で過去最高を更新しました。主な輸出品目の内訳をみると、農産物が前年比24.2%増の4,432億円となり、輸出額全体の6割を占めています。また、水産物も同18.0%増の2,757億円となっています。

2010年からの輸出額の推移をみると、13年以降は増加傾向にあります。「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されるなど世界的な日本食ブームが起きたことや原発事故に伴う輸入規制の解除の拡大、為替レートの円安推移などが背景にあるものと思われます。

 

▲農林水産物・食品の輸出額推移

▲農林水産物・食品の輸出額推移

 

品目別ではコメの輸出額が前年比6割増!!

新潟県の主要農産物でもあるコメ(援助米を除く)の輸出額は前年比56.4%増の22億円、また輸出量は同69.2%増の7,640tとなり、いずれも大幅な伸びとなりました。

このほか、日本酒(清酒)の輸出額は同21.8%増の140億円(輸出量は同11.4%増の18,180kl)、米菓(あられ・せんべい)は同1.9%減の39億円(輸出量は同8.3%減の3,679t)などとなっています。

 

農産物の輸出拡大のポイント

政府は2020年に農林水産物・食品の輸出額1兆円を目標にしています。今後は目標達成に向け、日本の食文化発信やジャパン・ブランドの確立など輸出振興策を積極的に行っていく方針です。
そこで、以下では当センターが昨年まとめた調査レポート「農産物の輸出動向と取組状況」(センター月報2015年4月号掲載)において、農産物の輸出拡大に取り組むうえでのポイントをご紹介したいと思います。

 

1.生産者自らが輸出に取り組む場合

・農産物に関するあらゆる情報を目に見える形式で提供するなど、安全性への取り組みを強化すること

・生産余力が少ない場合には、国内の他の生産者との連携も視野に入れ、安定した供給体制の整備を図ること

・輸出先での販促活動を継続的に取り組み、現地の取引先との関係性の構築と需要の掘り起こしに注力すること

2.生産者自らが輸出に取り組めない場合

・輸出手続きから販促活動までの全てを担えない場合、貿易実績が豊富な輸出関連企業と連携し輸出に取り組むこと

資料:「農産物の輸出動向と取組状況」『センター月報』2015年4月号

 

終わりに

今後、TPP(環太平洋パートナーシップ)協定による関税率引き下げが、日本の農産物を輸出する上での大きなチャンスと期待されています。このチャンスを効果的に取り込み、新潟県の農産物の輸出拡大に繋げていってほしいと思います。