2019年夏期 新潟県消費動向調査の結果について(新潟県の景気動向2019年5月)


新潟経済社会リサーチセンターの江口大暁です。 当センターでは毎月、新潟県経済の基調判断を発表しています。 当センターが独自に行っている県内の企業様へのヒアリング調査やアンケート調査と、毎月発表される経済指標を通じて、県内の景気動向を分析して判断をおこなっています。 そこで、5月の基調判断を紹介します。

 

個人消費

 

5月の基調判断:一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している県内経済

〇設備投資は緩やかに増加している。

〇個人消費は緩やかに持ち直している。

〇公共投資は持ち直しつつある。

〇生産活動は持ち直しの動きに足踏みがみられる。

〇総じてみると県内経済は一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している

5月は上記のとおり判断しました。詳しくは「グラフで見る県内経済」をご覧ください。

新潟県の個人消費の動向

今月は個人消費についてみていきたいと思います。 まずは、経済産業省が公表している「商業動態統計」を参考に作成した「小売業販売額」と北陸信越運輸局新潟運輸支局が公表している「乗用車新規登録・届出台数(軽含む)」の推移をみていきたいと思います。

4月の「小売業販売額」は前年比0.8%減と22カ月ぶりに前年を下回りました。内訳をみると、「ドラッグストア」などは前年を上回ったものの、「ホームセンター」や「百貨店・スーパー」などが前年を下回りました。一方、5月の乗用車新規登録・届出台数(軽含む)」は前年比7.2%増と2カ月連続で前年を上回っています。

 

新潟県 個人消費

 

 

新潟県の消費支出の推移

続いて、県内の消費マインドなどを探るために当センターが新潟県内の勤労者とその同居家族に対して年2回実施しているアンケート調査(19年夏期消費動向調査)の結果をみたいと思います。

アンケート調査では、現在の消費支出が半年前と比べてどのように変わったか、また、これからの半年間はどのように変わると思うかを「1.増えた(増えそう)」「2.変わらない」「3.減った(減りそう)」の3つの選択肢の中から該当する番号を選んでもらっています。

その上で「1.増えた(増えそう)」と回答した人の割合から「3.減った(減りそう)」と回答した人の割合を差し引いて消費マインドを表す数値(CSI)を算出します。

こうして算出した今回の消費支出CSIは「27.5」となり、前回調査(18年冬期調査)を0.5ポイント上回り、わずかながら2期ぶりに上昇する結果となりました。 また、先行きの見通しを示す消費支出予想CSIは「28.4」となり、足元の消費を示す消費支出CSIと比べて0.9ポイント高くなりました。予想CSIが足元の数値を上回ったのは、17年冬以来の3期ぶりとなり、先行きも緩やかな持ち直しが見込まれます。

 

 

今後半年間に購入・支出を予定している商品等(耐久消費財)

今後半年間で購入・支出を予定している商品等を耐久消費財と非耐久消費財等に分けて尋ねたところ(複数回答)、耐久消費財では「生活家電(冷蔵庫等)」の割合が17年冬の調査以来、4期連続で最も高くなりました。

18年夏の調査と比べると、「生活家電(冷蔵庫等)」「パソコン・周辺機器」などの割合が上昇しています。09年以降に実施された「家電エコポイント制度」で購入された家電製品の買い替えサイクルにあるほか、「Windows 7」のサポート期限終了を控えたパソコンの買い替え需要に加えて、消費税率引き上げ前の駆け込み需要も背景にあると思われます。

 

 

 

今後半年間に購入・支出を予定している商品等(非耐久消費財等)

非耐久消費財等では「婦人物衣料品」の割合が最も高くなりました。

18 年夏の調査と比べると、「スポーツ・アウトドア活動費」などの割合が上昇する一方、「婦人物衣料品」「紳士物衣料品」「子供用衣料品」など、被服費の割合が低下しています。

 

 

 

※本調査に関する詳しい内容については、当センターの機関誌「センター月報2019年7月号」をご覧ください


まとめ

県内の個人消費をみると、「小売業販売額」では前年をわずかに下回っているものの、「乗用車新規登録・届出台数」では前年を上回るなど、販売側の統計をみると堅調に推移しています。

また、消費者側のアンケート調査の結果をみると、消費支出CSIは「27.5」となり、前回調査を0.5ポイント上回り、わずかながら2期ぶりに上昇する結果となりました。

足元では米中貿易摩擦の影響などにより、景気の先行きを懸念する声が強まっていますが、県内の消費動向については、力強さに欠けるものの、引き続き緩やかな持ち直しが期待される調査結果となっています。 今後、10月に予定されている消費税率引き上げ前には、駆け込み需要も見込まれる一方、政府の消費増税対策の一環として実施される「キャッシュレス・消費者還元事業」では、増税分以上にポイント還元が受けられることから、商品や店舗によっては増税前に買い控えが生じる可能性もあるため、消費税率引き上げ前後の消費行動にも注目していきたいです。