2016年・旅のトレンド予測

 

あけましておめでとうございます。新潟経済社会リサーチセンターの江口です。今日から仕事始めの方も多いと思います。そこで、年始の挨拶で使える、ちょっとした話題を本日はご提供したいと思います。

 

井門隆夫氏 旅のトレンド

 

私どもの機関誌「センター月報」では、年初に「旅のトレンド予測」を毎年、お届けしておりますので、本日はその一部をご紹介します。なお、執筆は毎月、連載をお願いしている井門観光研究所の井門隆夫先生です。

井門先生が予測する旅のトレンドは、次のとおりです。

 

第5位 インバウンド踊り場

 

円安傾向や中国をはじめとするアジア各国の経済成長、日本への入国ビザの緩和等の効果により2012年から伸び続けてきたインバウンド市場だが、一服しそうだ。

国際情勢や経済の変化は未知数だが、少なくとも中国のバブル崩壊の影響は団体旅行客の勢いに影を落とす。東京や大阪のホテル単価の高騰にも嫌気がさされつつある。

(中略)

インバウンドは(もちろん海外旅行もだが)、国際経済変化や紛争・疫病に弱い。何ごとも起こらないことを祈るばかりだが、インバウンドも常に上り調子というわけにはいかないということも心しておきたい。

井門隆夫(2016)「地域観光事業のススメ方第70回」『センター月報』2016年1月号

先日、日本政府観光局(JNTO)から「1 ~11 月までの累計での訪日外客数は1,796 万人に達し、過去最高を更新」との発表があったばかりですが、井門先生は早くも「踊り場」を迎えるとの大胆な予測をされています。

 

第4位 島

 

国内に目を向けると、何年かに一度盛り上がる「島」が今年も注目されそうだ。

第1には、瀬戸内国際芸術祭の開催がある。大地の芸術祭と違い、瀬戸内は春・夏・秋の3シーズンのロングラン開催となる点も大きい。また、瀬戸内を囲む各県が、日本版DMO「せとうち観光推進機構」を設立し、4月から本格稼働させる。プロモーション機会も増えそうだ。

第2に、新たな世界遺産として「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」が6月末頃に正式登録される予定だ。長崎県では、軍艦島が世界遺産登録されたばかりだが、今回の世界遺産も五島列島の「島」の教会が注目されるだろう。とりわけ、無人島・野崎島の旧野首教会や、隠れキリシタンが移り住み、今でも島民のほとんどがクリスチャンという黒島の黒島天主堂は、島へ上陸できる人数が限られることもあり、メディアを賑わすことだろう。

島ブームといえば、新造船が就航し、新たな魅力も増え続ける佐渡にも注目だ。

井門隆夫(2016)「地域観光事業のススメ方第70回」『センター月報』2016年1月号

付け加えるならば、申年だけに猿にまつわる伝説が残る「猿島」(神奈川県)にも注目が集まるかもしれません。要塞跡が残る姿が映画『天空の城ラピュタ』を連想させるとして、既に人気が出始めているようです。

一方、県内には井門先生がおっしゃる通り、佐渡に加え、粟島もあるので、島の注目アップに期待したいところです。

注:猿島については、以下の記事がわかりやすいです。
森川孝郎著「東京湾の無人島『猿島』探検! そこはラピュタの世界」『All About』(2015年1月15日)

 

第3位  伊勢志摩

 

伊勢志摩サミットが行われる伊勢志摩地方が、遷宮年の盛り上がりを想い起こさせるように再度盛り上がる。

特に「伊勢神宮」熱は遷宮以後も冷めずに続いている。神だのみに賭ける国民はまだまだ少なくないようだ。近鉄の新型特急の登場は鉄道マニア以外の目も引くだろう。

志摩エリアでは、2015年のうちに安倍総理が美味しいといった伊勢海老スープが底をついた。伊勢海老やアワビ、個人的には冬の伊勢志摩でしか製造されない熟成干し芋「きんこ芋」を各国首脳にぜひ召し上がっていただきたいのだが、さて、伊勢志摩ならではのどんな食に注目が集まるだろうか。赤福餅の縁起餅あたりもサミットに登場するか。

井門隆夫(2016)「地域観光事業のススメ方第70回」『センター月報』2016年1月号

なお新潟市では、5月の「伊勢志摩サミット」に先立って、4月23日(土)~24日(日)にかけて、「G7新潟農業大臣会合」が朱鷺メッセで開催されます。こちらも盛り上がることに期待したいです。

 

読み終えて

「旅のトレンド予測」はここまでです。第1~2位につきましては、当センターの「センター月報」をお手にとっていただければ幸いです。

なお、今日ご紹介したトレンド以外にも、2016年は北海道新幹線の開業をはじめ、旅の話題には事欠かない年となりそうです。新潟からも様々な情報を発信して、多くの旅行者にお出でいただける、そんな良い年にしたいものです。