大筋合意したTPP(環太平洋パートナーシップ)協定

 

こんにちは。新潟経済社会リサーチセンターの神田です。

昨年10月5日、TPP(環太平洋パートナーシップ)協定が大筋合意されました。TPPに関しては、既に多くのメディアが報道していますが、今回、再確認の意味を込めて、その概要についてご紹介したいと思います。

 

tpp 輸出入

 

そもそもTPPって何?

TPPとは日本をはじめ、米国、カナダ、メキシコ、ペルー、チリ、ニュージーランド、オーストラリア、シンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイの12カ国間で関税撤廃を進めて、貿易取引の活発化を目指す多国間の経済連携協定です。

TPP発効後は、モノの移動に関わる関税が撤廃・削減されることから、参加各国では貿易取引の拡大が期待されています。また、新興国を中心に金融などのサービスや投資規制が緩和されるほか、ビジネス目的での入国手続きの簡素化やビジネス上のメリットも期待されています。

 

▲TPP参加12カ国(出所:内閣官房TPP政府対策本部)

▲TPP参加12カ国(出所:内閣官房TPP政府対策本部)

 

TPPはいつから始まる?

TPP発効に際しては、①参加12カ国が最終合意・署名、その後の議会承認等の国内手続き終了後、60日以内に発効する旨が規定されています。

ただし、②署名後2年以内に参加12カ国が議会承認等の手続きを終了できない場合、参加12カ国の2013年の国内総生産(GDP)合計額の85%以上、かつ6カ国以上が国内手続きを終了した場合に限り発効できると規定されています。

このように、上記①の場合には、2016年中の発効が見込めますが、②の場合には、2018年春以降まで発効できない可能性があります。

国内経済に及ぼす影響は?

TPP発効により、参加12カ国間における貿易や投資が活発化し、日本のGDPは長期的には押し上げられると考えられます。

ただし、工業製品分野に限ってみれば、乗用車や自動車部品をはじめとする工業製品の関税を撤廃されるとはいえ、日本の製造業は、自動車製造業を中心に海外での現地生産が進展しています。

さらに、工業製品はそもそも関税率が既に低いものも多く、関税撤廃が輸出を増加させる効果は限定的とも言えます。

TPP大筋合意による県内での反応は?

TPP発効後の影響について、県内の経済団体や企業などへのヒアリングでは、「プラスとマイナスが混在しており、影響を見極める必要がある」「TPPのメリットを最大限活用できるよう、まずは情報収集に努めていく」などの声や「TPP参加国向けに輸出増加を図っていきたい」といった声が聞かれます。

このようにTPPによる期待感がある一方、現時点では、今後の行方をよく見極めたいといった状況のようです。

TPPの発効は、参加12カ国における国内手続き等により、しばらく先となりそうですが、引き続き新潟県経済の行方を注視していきたいと思います。