皆さんは「ものづくり白書」をご覧になったことがありますか?

 

新潟経済社会リサーチセンターの神田です。

突然ですが、皆さんは「ものづくり白書」をご覧になったことはありますか?

ものづくり白書とは、1999年に施行された「ものづくり基盤技術振興促進基本法」に基づく年次報告書で、「製造基盤白書」とも呼ばれています。2016年版の白書は経済産業省、厚生労働省、文部科学省の3省共同で作成作業を行い、今年の6月に閣議決定されました。

今回の白書では、昨今、注目を集めているIоT(Internet of Things:モノのインターネット:)やビッグデータ、AI(人口知能)などをはじめ、「第4次産業革命」とも称されるデジタル化の進展によって変わりつつある日本企業の対応について分析をまとめています。そこで、その内容を一部ご紹介したいと思います。

 

 

企業はIоTを「設計・開発」部門で活用

白書では、IоTが企業活動の中のどのような部門(「設計・開発」「生産」「販売」「運用・保守」の4部門)で活用されているかを、経済産業省が実施した企業への調査結果をもとにまとめています。

それによると、活用部門によって大きな違いがあり、「生産」部門等に比べて「運用・保守」での活用は進んでいないとの結果となっています。IоTの利用率が高い部門として「設計・開発」部門の3Dシミュレータの活用について「製品設計工程における活用」が進んでいるほか、「生産」部門の「個別工程や生産工程全般の見える化とプロセス改善等」、「販売」部門の「発注に関する情報の収集」などにおいて活用が進んでいる状況にあると述べられています。

さらに白書では、「経営課題に対する取り組みに積極的な企業は、IоTの活用に関しても積極的な姿勢がみられ、そうした企業ほど業績や投資に対しても前向きな見通しを持っている」とも述べています。

 

▲(資料)経済産業省「2016年版ものづくり白書」

▲(資料)経済産業省「2016年版ものづくり白書」

 

まとめ

今年の6月に公表された「日本再興戦略2016 -第4次産業革命に向けて-」では、名目GDP600兆円の実現を目指していくうえでのキーワードのひとつとしてIоTが挙げられています。さらにその中で「第4次産業革命を我が国全体に普及させる鍵は、中堅・中小企業である」と強調しています。中小企業がIоTを積極的に活用することによって、生産性の向上や商品開発力の強化、新サービスの開発につながり、引いては地域の産業活性化を実現していくことが期待されます。